翠と橙(みどりとゆず) vol.179 「ユウマとユッキ。どうするの…???」
空いている席に座って翠と絃。
「今の…???」
絃、翠に。
「ふん。ルッポラの店員さん。」
玄関の方を見て。そして、
「へぇ~~。あんな可愛い女の子…いたんだ~~。」
絃、
「ねね、みど。」
翠、
「ん~~???」
「ユウマとユッキ。どうするの…???」
そんな絃の声に翠、
「はぁ~~あ…???」
「だって…。」
そして、今度は声を低くして、
「だって、みど、ユウマ…好きで…。それで…、今は…ユッキと一緒に…。」
翠、いきなり笑って、
「かかかかか。な~~に言ってんだか~~。私には、ユッキがいるもん。それだけで充~~分。それ以外…、考えらんない。」
店員が、水を運んで、
「いらっしゃいませ~~。」
翠、品書きを見て。
絃、
「ふん。…っかな~~。」
翠、
「え~~~へへへへへ。」
けれども、その日の夜。
翠、長期出張から帰ったような…。
「ただ…いま…戻り…。」
フロアに入ると、何かしらスタッフ全員で賑わっている。
翠、何が何だか…、万美に、
「どうしたの…???」
そんな翠に、今度は尋音、
「ゆずが結婚。」
翠、その声に、
「へっ…???ゆずが結婚…???誰と…???」
万美、
「ユウマよ、ユウマ。」
翠、
「はい…???なんで…ユウマ…???…うそ…。あり得ない。ちょっと…。冗談は…。ユウマは…私と…。」
万美、
「かかかか。な~~に言ってるの~~。みど、あんた…去年、結婚したばっかじゃないよ~~。」
その万美の声に翠、
「はい…???…私…、結婚…???誰と…???」
「お~~。何言ってる~~。」
そして尋音、翠を後ろに振り向かせて、
「そちらにいらっしゃる殿方は…どなたでしょう~。」
ひとりの男性が向かいの席でがむしゃらに仕事をしている。
「おぅ、みど、お帰り。睦、かあさん…面倒見てるから…。海外長期出張、お疲れ。」
その顔を見て翠、
「ゲッ!!!!!あなた…誰…???それに睦って、誰…???なんで私が海外出張…???」
男性…、髪は寝坊したのか、ボサボサ。そしてワイシャツは何かしら汗まみれ。
どちらかというと、礼人より、一回りも…二回りも…。
万美、
「ひさしぶりの再開。旦那とよっろしっくね~~。うんうんゆず、おめでとうだよ。あれから…2年か~~。」
そこに今度は薫郎。
「よぅ、みど。お帰り。日坂~~、カミサン帰って、良かったな~~。」
その声に、日坂という男性、
「うっす。ありがとうございま~す。」
翠、
「な…なに…???日坂…???…どこのだれ…???…で、なんで、こんな太っちょ…。」
薫郎、
「お~~い、おいおい、みど、そりゃないぜ。それじゃなくても、日坂、お前に惚れ込んで、惚れ込んで。お前に何回そっぽ向かれても、粘って粘って。半年。ようやくお前の方が折れてめでたくゴールイン。」
翠、薫郎からその話を聞いて、
「はぁ~~~あ???」
「ユッキ。そんなみどを見て、いたたまれなくなって、日坂君に激励。ユッキはみどを離れて、めでたく絃と結婚。」
尋音。
その瞬間、翠、愕然。思わず、その場にへたり込む。
その瞬間、辺りは真っ暗になり。数秒後、翠、
「どうなってる―――――――――っ!!!!」
いきなり目がパチリ。
「え゛っ!!!!」
辺りを見回し、
「えっ???えっ???えっ???」
目をパチパチと。隣で絃がス~ス~と、眠っている。
翠、
「えぇぇぇぇぇぇぇ…。え~~~。夢~~~???」
そしてぎっしりと目を瞑って、
「な~~んて…夢よ~~。もぅ~~。リアル過ぎ~~~。」




