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翠と橙(みどりとゆず) vol.178 「ゆず~~。何…、部屋で泣いてたって…。」

自然に橙が巽のベッドの右側に、そして翠と絃が巽の左側に…。


巽、橙の顔を見て、

「ゆず~~。何…、部屋で泣いてたって…。」


その巽の声に橙、途端に顔を赤くして、舌を出して。


翠、顔を左にチョコンと傾けて…、

「ふふ…。」


巽、

「まぁ…。仕方ないだろ、昨日の事…。」

翠と絃の顔に。


翠、

「ん~~~???」


「かあさんが…ちょっとね…。」


「うん。」

翠、

「話は…ゆずから聞いた。ん~~。ねっ、仕方ないよ。おかあさんの事…考えると…。」


「あっ、…逢…坂さん…。」

少し翠の苗字を言うときにためらった巽に、思わず絃がクスリと。

「杉…浦…君…。」


翠、

「あ~~うん。実は…ここに来る…。と言うか、今日は…、杉浦のお見舞いに、絃と…。」

隣の絃に手を差し伸べて、

「お店の店主がお見舞い。私は病院に案内。杉浦は…大丈夫。ケロッとしてる。」


「そっか~~。うん。良かった。」

「そういう…意味では…ゆずに感謝しなくっちゃ。」


その翠の声に橙、

「えっ…???」


翠、

「しっかりと…杉浦に付き添ってくれて、ありがと。」


橙、

「チーフ…。」



「…で、どう…???リハビリ…???」

翠。


巽、

「ふん。まっ、順調かも…。こればっかりは…。理学療法士の先生…、良くしてくれてる。」


「右側…、なかなか動かないでしょ。」

「うん~~。でも…、やるっきゃ…ないからね~~。」


「ふふ。うん。遊馬君…強いからね。」


その瞬間、橙、

「……。」


巽、

「…んな事…、ないって~~。」


「お店の人…、待ってるんじゃない…???いつ帰ってくるかって…。」

翠。


「ふん。もぅ~~心配掛け過ぎ…。結局、店、早番で夕方終る人たち、ここ、来てるよ。」


「た~~よりにされてる~~。」

絃、にっこりと…。


「世の中、今日から3連休。またまたみんな…見舞いに来るんじゃない…???ん~~???」

翠。


巽、

「かかかか。…かも…。」


「おっと。邪魔しちゃ、申し訳ない。私たちは…この辺で。絃。」


絃、

「ふん。そうだね~~。」


橙、

「へっ…???チーフ…。」


「あんたはしっかりと…遊馬君、見舞ってあげなっさい。大事な彼氏~。」


橙、

「チーフ…。」


そしてドアに向かって翠と絃。

「では…お邪魔しました~~。」


巽、

「わざわざ、ありがとう。」


翠、

「うん。」


絃、右手を振って…。




数秒後、巽の顔を見て、膨れっ面の橙。


巽、

「かかかかか。な~~に、そんなに膨れるんだよ~~。」


橙、

「…だって…。」


「はは。昨日のかあさん…かなり…キツかったみたいだな。」


橙、

「なんかさ…。こっから…出てけって…。そんな雰囲気だった…。」


「~~ったく…、しょうがねぇな~~。」




エレベーターで病院の1階。翠、腕時計を見て、

「わぉ。もう…お昼に…なるか…。」


絃、

「ねね、どっかでご飯。」


その声に、

「ふん。いいね~~。」


ふたりで周辺を眺めながら、

「たま~~には…、いいんじゃない…。」

そう絃が言って、ふたりが向かった先が…、蕎麦屋さん。


翠、

「絃、あんた…ちょいと…、渋いねぇ~~。」


絃、

「ふふ…。」


そして、店に入った途端に、

「あら~~。」

声を掛けてきたのが、柴乃である。


翠、

「わぁ。ルッポラの~~。はは、か~~っわいい。」


柴乃が連れている女の子を見て。


柴乃、

「娘です。はは。お昼にお蕎麦…食べたくなっちゃって。」


翠、

「うんうんうん。」

にっこりと。

「遊馬君の…???」


「うん。お見舞い。あなた…たちは…???」

「うん。今…。ゆずと一緒に…。」


「へっ…???ゆず…ちゃん…。」

辺りを見回して…。


「ふたりっきりに…うん。」


柴乃、

「あ~~。はは。うんうん。さっすが。…じゃ。」


翠、

「うん。ばいば~~い。」


女の子に手を振って。





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