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翠と橙(みどりとゆず) vol.174 珂帆、「アパートの名前…。…ん~~。思い出せない。」

「仙台から帰ってきて、疲れているとは思うんですけど…。杉浦が戻ってきて……。」

スマホに翠。


珂帆、

「うんうん。うんうん。」

声を聞きながら珂帆、

「そう~なんだ~~。…ちょっと…、待っててくれる~~。今、洗濯物…干してて、部屋に行かないと、アパートの住所、分からないのよ。アパートの名前…。…ん~~。思い出せない。ごめんなさい。ちょっと、待っててくれる。折り返し…私の方から電話するから。」


翠、

「お願いします。…じゃ、一旦…電話切ります。」

そうして、電話を切った途端に、巽からライン。

「ユウマッ!!!…ヤッベ~~。昨日…、かあさん…。」

その時、

「かあさん…???」


巽のメール、

「……。3丁目、23番、エスベランサ402。…みど、頼む。」


すぐさまスマホの地図アプリで…。

「あっ。あった。ここだ。…って…事は~~。」

いきなり走り掛けようと、

「あっ。雅樂じぃ。私、ゆずのアパート…行ってみる。」


雅樂、

「おぅ。行ってやんな。」


絃、

「あっ、あ~~。あ~~。みど、私も~~。」


翠、

「うん。行こう。」


そしてスマホに着電。珂帆からである。

「もしもし、逢坂です。店長。」


珂帆、

「あっ、逢坂さん。アパートの名前、エスベランサ。……。3丁目、23番。403が巽君の部屋だから、その隣の部屋。」


大股で歩きながら翠、

「はい。分かりました。今、遊馬君から私にも連絡入って、場所、分かりました。これから向かいます。」


その声に珂帆、

「そう~~。うん。お願い。」


翠、道路を見て、

「ん~~タクシー…。でも…、混んじゃうと…。いっか、こっから駅まで歩いて5分。駅…4つ…。うんうん。ここも駅から近い。絃、電車で行こう。」


「うん。」




病室で巽、

「やれやれ…。ゆずのヤツ、昨日のかあさんの話…。なんだかな~~。キツ過ぎるって…。ふぅ~~。」

そして、窓を見て、

「…けど…。かかかか。…ったく…。みどにも…知られちまったなぁ~~。俺とゆずの部屋…。」

…と、そこまで考えが回って、

「…ん…???…なんで、ゆずが部屋で泣いてんのに…、俺のところに…メール…来るんだ…???…えっ…???へっ…???なんで…???」

その時、スマホのアラーム。

「お~~っと。」

スマホのデジタルを見て、そして壁の時計を見て、

「おし。動かすか~~。」




駅のホームで、電車を待つ1、2分で薫郎にメール。

すぐに返信、薫郎、

「―なんで…ゆず、泣いてる…???」


翠、

「―分かんない。」


「―けど…、ゆずのアパート。」

「―ルッポラ、店長に電話して。」


「―あ~~。なるほど。」

「―あっ、電車来た。」


「―うん。」


絃に、

「行こう。」


「うん。」




殆ど数人しかいない乗客。

「すご~~い。ガラ~~ン。」

絃。


「ふ~~ん。さすがに空いとるわ。3連休。そしてこの時間…。」



シートに座ってふたり。

「ねね。」

翠。


絃、

「うん…???」


「もしかして…、絃と一緒に電車乗ったの…初めてじゃない…???」


その声に絃、

「うん…???」

そして数秒…、

「かかかかか。ほ~~んとだ。うんうん。」


「病院来るときは…、雅樂じぃと、タクシーだったから…。」


絃、

「うんうんうん。」






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