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翠と橙(みどりとゆず) vol.173 「まさか…アパートが隣同士って…。」

薫郎の見舞いを終えて通りを歩きながら3人。


「ゆずって…、あの子だろ、ジェシカのルーキーって…。」

雅樂。


翠、

「うん。」


「確か…、この前初めて店に来た、どこだかのレストランの店長、本条さん。」

「ルッポラ。うん。」


「そこんとこで、働いてんだろ、その…、遊馬ってか…人。…けど、その、遊馬って人の…アパートの隣って…言ってなかったか…あの人。」

「うん。私たちも…、そのことまでは…知らなかったんだ。まさか…アパートが隣同士って…。」


絃、

「あっ。だからユッキにも…そのこと…。」


「うん。」

その時、いきなり翠のスマホにラインの着信音。

「おっと~~。来た来た~~。」


絃、

「ゆず…さん…???」


「うん。…チーフ、連絡できなくってごめんなさい。今…起きました…。…へっ…???今、起きた~~???…おぃおぃ…随分…と、のんびり…。…とは…言っても…。」

絃の顔を見て、

「まっ、3連休だし…。…それに…、仙台…から…。」

そして画面を切り替えてすぐさま、指でポン。2、3回のコールで…。


「もしもし、ゆずです。…おはようございます。」

橙、何かしら元気のない声で…。


「どうしたの~~ゆず~~。メールしても、全然既読になんないし…、電話も繋がんないし…。」

絃の顔を見ながら翠。


「ごめんなさい。夕べ、部屋に戻って、チーフに電話しようと思ったら、バッテリー切れ…寸前で…。」


その声に翠、

「やっぱり…そうだったんかぃ。」

そのまま、橙からの声が途切れる。

「へっ…???…ゆず…???ゆず…???」


橙、翠の声に気付いて、

「…あ…、はい。」


「ど~したの…、元気ない声…。まっ、仙台から帰ってきて、ユッキの事でも…、かなり…疲れていると思うけど…。…でも、昨日のゆずとは…。」


そんな翠の声に橙、

「…あっ。あ…、はい。ううん、大丈夫です。」

そして、その途端、鼻水がグスリ。


翠、

「…ん…???どした~ゆず~~。もしかして…泣いてる…???」



目に涙を溜めて橙、


「…ん…。」

そして、

「ううん…。大丈夫。」


翠、

「ゆず…???」


絃も、眉を少し吊り上げて…。


橙、思いっきり泣きたいのを我慢して、

「…ん…。はぁ…。」


「ゆず。ゆず。何何々…、どうした…。」

もう…橙の声がない。翠、いきなり、

「ちょっ…、ちょ~~っと~~。」


絃、

「みど…???」


雅樂、

「ん~~。どうしたぃ。…なんか、穏やかじゃねぇな…。」


翠、

「あの子…部屋で泣いてる。」


絃、

「え~~~。」


雅樂、

「おぃおぃおぃ。」


「参った~~。」

翠。すぐに、

「ユウマの電話…。いやいやいや。病院じゃやばい。…けど…。念のため。」

そう言って、巽にラインでメールを送る翠。

そして今度は電話の履歴から…、

「本条珂帆…。」

そのまま指でポン。


5回のコールで相手が出る、

「はい、本条です。逢坂さん、おはようございます。」


翠、

「店長、おはようございます。すみません、いきなり電話で…。」


珂帆、

「いえいえ。」

洗濯物を籠に戻して、

「どうしたの…、何か…???」


翠、

「ユウ…、遊馬君の…アパート…どこか知りませんか…???」


その声に珂帆、

「えっ…???」


翠、

「ごめんなさい。今…、ゆずが…、部屋で…???」


珂帆、

「ゆず…ちゃんが…???」


「なんだか…泣いているみたいで…。」

「泣いて…。どうしたの…???」


「全く分かんなくって…。」


そんな翠の声に珂帆、

「な…、な…、何が…どう…???」







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