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翠と橙(みどりとゆず) vol.172 「しっかりもんのべっぴんがいるからよ。なぁ~~絃~~。」

病室のドアがガラリ、

「おぅ。」


薫郎、

「雅樂じぃ。」


そして、絃と翠。

「おはよ、ユッキ。どぅ…???」

「おはよ。」


薫郎、

「おはよ。雅樂じぃ、絃。心配掛けて。」


「当ったり前ぇだろうが~~。おめぇ、病院に運ばれたってみどから聞いて、心臓…止まるかって思ったぜ。」

口をへの字にしながら雅樂。


薫郎、笑いながら、

「かかかか。ごめんごめん。」


「まっな。おめえがそんな簡単にくたばる訳、ねぇだろ。けけけけ。」


「元気そうで、安心した。うん。」

絃。


「絃、ごめんな~~。心配掛けて。」

両手を合わせて。


そんな薫郎に絃、

「ううん。ううん。御蔭で、みどと一緒に寝れる~~。う~~れしくって~~。」


そんな絃に、変顔の薫郎、

「おぃ。そっちかぃ。」


「かかかか。もう…ベッドの中、絃の匂いでものすんごく、良い匂い。」

翠、眉を2度下げて。


薫郎、

「はいはいはいはい。そうですか~~。」

不貞腐れる薫郎。


「かかかか。こいつ、不貞腐れてらぁ~~。」

笑いながら雅樂。

「えぃえぃえぃえぃ。なんか…食いもん、作って持って来たかったが…、絶食って…。」


雅樂に薫郎、

「…うん。」


「まっ、しゃあねえな…。…で、いつまで…???入院…???」


「今になって…、あと…、9日…くらい…かな…???」

翠、

「話だと、2週間近く…掛かるって…。」


薫郎、絃、首を縦に。


雅樂、数回頷きながら、

「ほぅほぅほぅ。」


薫郎、

「ごめん、雅樂じぃ、店、手伝えない。」


そんな薫郎に雅樂、

「バ~~カ。そんなもん、おめぇが気にしてどうする。土台、俺の店でぃ。それに、しっかりもんのべっぴんがいるからよ。なぁ~~絃~~。」


その声に絃、口をすぼめて、目をまん丸く翠に向かって。

そして顔を左右に振り…。


翠、

「かかかかか。」


絃、

「初めて言われた~~。」


翠、びっくりして、

「うそでしょ。」

こちらも目を真ん丸く、

「こ~~んな可愛くって、素敵で、綺麗な子~~。それに、優しいし~~。雅樂じぃ、鬼か。」


雅樂、

「てやんでぃ。俺が言わなくったって、分かんだろ。んな事ぁ~~。てめえの娘みたいに、可愛がってんのが~~。」


絃、翠に寄りかかって、

「ぷぷぷぷ。」


翠、

「かかかかか。うんうん。そうだよ、そうだよ。雅樂じぃ、物凄い素敵なおじいちゃんだもん。」

そして絃と一緒に、

「ねぇ~~~~。」


薫郎のベッドの左側、椅子に座りながら雅樂、翠と絃を見ながら…、

そして薫郎の顔を見ながら、

「なんなんだぃ、しょうがねぇなぁ~~。」

ばりの顔で…。


薫郎、

「はははは。うんうん。」

そして、薫郎、翠に、

「あっ、みど…、あれから、ゆず、何か連絡…あった…???」


その話に翠、

「あっ。そうそう。ううん。全然、あれから一度も…。ライン送っても既読になんないし。電話も繋がんないし…、電源切ってんのかなって…。思っても…みたり…。」


「参ったなぁ~~。」

「遊馬…君に…、連絡してみようか…???」


その声に薫郎、

「…あ、あ~~。…とにかく…、遊馬君に、見舞いって…言って…、病院には向かったはずなんだけど…。」


翠、

「……。」


「病院に行く前に…何か…あった…???それとも、病院で…???ん~~~。」


絃、

「ユッキ…。」






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