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翠と橙(みどりとゆず) vol.171 絃、「良い人…みたいだね。ユウマ…。」

その話に翠、

「え゛っ!!!…そうだったんだ~~。」

そして頭の中で、

「…道理で…。」


絃、

「私だって、あの時間、お店だもん。みどが帰ってきているなんて、分かる訳がないもん。」


思い出しながら翠、小さな声で、

「…だよね~~。」



コレクションの時に、帰りに巽と食事したときの事である。

あの時に、巽が翠をかつて、病院で知り合った女性だと、翠に告白。

いきなりの事で翠もショックを受け、通りの少し広い場所のベンチで…。

やがて翠を探しに巽。ペンチでふたり。何故かしら巽の左肩に凭れるように眠ってしまう翠。

そんな翠をタクシーで、やきとり雅楽まで送り届けたのだった。


当の翠本人は、眠ってしまってからの記憶が…ない。



「私の方が絃に起こされてビックリしたくらいだから…。」

翠。


「かかかか。うんうん。そうそう。」

笑いながら絃。


少し考えて、

「え゛っ。…じゃ…雅樂じぃ…ユウマの事…???」

翠。


絃、くすりと、

「ううん…。知らない。…でも、そういう人がいた。事は…知っている。言わないと…雅樂じぃも…心配するから。」


「…か~~。」


そして…絃、

「良い人…みたいだね。ユウマ…。しかも、体もガッチリしてそう。それに…。」


「それに…???」


「みどと、何かしら…縁…あるみたい。」

そして前をまっすぐに空を見るように絃、

「だって…、10年前には病院で…。そして、今度は東京駅で…、みどと一緒のとき…。」

後ろで両手を結びながら歩く絃。

「な~~んだか、羨まし。」


レースキャミソール。そしてデニムのショートパンツ。

裾はわずかにクラッシュ加工の絃。


そんな絃に後ろから翠、いきなり、

「こんにゃろ。」

絃を後ろから抱きしめる翠。


「わぁ…。びっくりした~~。」


そして絃のお腹から胸、そして両脇を手でくすぐる翠、

「コチョコチョコチョ~~。」


「かかかか、みど~~。くすぐった~~い。」

「絃~~。」


「ん~~???」

「良い匂い。」


「かかかか。」

絃を抱きしめたままで…、

「ユウマ…。」


絃、

「うん。」


「180…ある。」


その数字に絃、いきなり翠に振り向いて、

「…でっしょう~~。凄い、背ぇ高いって。うんうんうん。」


「高校時代…サッカーやってたもん。体はガッチリ…してるよ。…でも、あれから10年経っても、あんな感じだもん。…なんか…鍛えてんのかな…???…そこまでは…。」

頭を傾げて。



ふたり並んで歩きながら…。数秒後…。

いきなり翠、絃、ふたり同時に、

「うそ―――――――――っ!!!!」


いきなり駆け出して、ふたり同時に腰を下ろして、

「かっわいい~~~。え~~~。」



若い夫婦、そして5歳くらいの女の子。

夫婦が共に2本のリードを握っている。

そのリードの先が、4匹のフレブル。それぞれ可愛らしいコスチュームで。


突然のふたりの女性から犬を可愛がられて、若い夫婦もにっこりと。

女性ふたりに妻の方、

「ありがとう~~。」


夫、

「はははは。」


翠、

「抱いて、良いですか~~。」


絃、

「私も、私も。」


妻、

「えぇ、えぇ。どうぞ、どうぞ。」

笑顔で。


女の子も、

「お姉ちゃん、ありがと。」


そんな女の子に笑顔で翠と絃、フレブルを抱きながら、

「すっごい、かっわいい~~。」

「ねぇ~~~。」






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