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翠と橙(みどりとゆず) vol.157 万美と尋音、思わず顔を見合わせて、「ぷっ。みどだって…。」

病室で巽、料理の本を見ながら…、

「ふんふんふん。おっ、これって…良さそう~~。」


ドアがガラリと…。


静かな声で翠、

「おっ邪魔っしま~~す。」


その声に巽、

「おっ。はい、みど。おつかれ。」


その声に廊下にいる万美と尋音、思わず顔を見合わせて、

「ぷっ。みどだって…。」


病室に入る翠。


巽、

「あれ…???誰か…???ふん…???」


翠、後ろを見て、

「へっ…???」

そのまま閉まりそうなドアを見て、

「あ~~ん、もぅ…。」

そしてドアを開けて、

「もぅ!!!」


巽、

「えっ…???」


くすくすと笑いながら翠に引っ張られて入ってくる万美と尋音。


巽、

「あ~~。うん。いらっしゃい。」

そう言って、

「あっ。やぱっ。俺…、みどって…。」


「はいはいはいはい。みどの初恋のユウマく~~ん。」

万美。


巽、

「えっ!!!うそ…。へっ…???なんで…???」


翠、

「もぅ…、ふたりには…バレてた。」


その声に巽、

「え~~~。」

顔を顰めて、

「えぇぇぇぇぇ…、なんで…???…どういう事…???」


尋音、

「むふふふふ~~ん。」


万美、

「ちょっとした…女の…勘…って、ヤツかな~~。…前に、高校の時、ユウマって言われてたって…言ったじゃん、遊馬君。」


巽、少し考えて、目をキョロキョロと…。

「…ん…???言ったか…???」


尋音、

「もぅ~~~。と~ぼけちゃって~~。」

顔を思いっきり鬼のような顔で…。


巽、

「かかかか。分かった、分かった。ごめん。降参。かかかか。覚えてる、覚えてる。…けど。それが…???」


「私も…尋もね。みどの初恋の人の…、ユウマってみんなから呼ばれてたって…、知ってるの。」

万美。


巽、

「うそっ!!!」


「ほんと。」

翠。

「高校の時、病院で命…救われた人…。ユウマって…男子~~。」


そんな話に巽、

「あ…。いや~~。え~~???そんなことまで知ってんの~~???」


「当然じゃん。今や私たちの相棒的存在だもん。」

尋音。


「いやいやいや…。…そうだったんだ…。」

「まっ、ゆずには…悪いけどさ…。」


「えっ…。」

「かかかか。赤くなった~~。」


翠、

「あっ、ユウマ…、お母さんは…???」


万美、

「くくくく…。ユウマだって…。」

口に右拳を当てて…。


翠、いきなり、

「もう!!!万っ、怒るよ!!!」


万美、

「はいはいはいはい。すみません、お姉さま。」


巽、

「お姉さま…???」


「みど…、とにかく…人望、厚いからね~~。」

「かかかか。そっか…。それは…言える。うん。」


途端に尋音、目を見開き、口を尖らせて、

「うほ~~~。かかかか。」

そして、

「どう…???10年後の逢坂翠…???素敵女子でっしょ。」


「こら、尋っ、調子に乗んな。」

左手を振りかざして翠。


「やばやば。今度はこっちきた~~。」


巽、

「かかかかか。…うん。素敵な女性になってる。俺も…あの頃は、みどといて、楽しかったから…。」


「好きだったんでしょう~~」

万美。


そんな万美の声に巽、

「いやいや…、ダイレクトだよね、泉水江さん。」


「わお。苗字で呼ばれたの…久しぶり。良く覚えてる~~。」

「うん…。まぁ…、商売柄…、人の名前は…出来るだけ…。」


尋音、

「ねね…???」

ベッドの足の方に両手を付いて。


巽、

「うん~~。ずっと…一緒にいたかった、女の子って…。」


万美、

「お~~。ひゅ~~。」


翠、

「ユウマ…。」





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