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翠と橙(みどりとゆず) vol.148 千慧、「ゆず、お疲れ。大変だったね。」

「おまえは、このまま、フレバーに当たってくれ。田島川専務には、こっちの方で連絡入れておいた。」

惇哉、ニッコリと。そして目の前には千慧。腕組みをしながら…。


橙、頭の中で、

「…道理で…。」


「ゆず、ちょっと待ってくれ。」

そしてスマホを千慧に。


千慧、

「ゆず、お疲れ。大変だったね。」


橙、

「山根…マネージャー。」


薫郎、

「ヤマチ。」


千慧、

「ユッキ、どんな様子…???」


あのときと同じ、優しい声…。自分の時と同じように…。

そう感じて橙、ほんのりと熱いものを…、

「あ~~。はい。杉浦君、今…ベッドの上で。点滴…なんです。」

少し、涙声になって…。けれどもすぐに落ち着き直して。


患者と看護師が中に…、橙、ベッドから離れてドアを開けて。


「そっか~~。意識は…しっかりしてるのね。」


廊下に出て橙、

「はい。大丈夫です。」


「うん。良かった。ゆずのお姉さんの久留須さんにも、ゆずの方からお礼…言っておいて。ボスも…よろしくって。」


橙、

「あ~~。はい。分かりました。」


千慧、

「そして…、さっき、ボスも言ってたけど…。」


「あっ。はい。」

「これからすぐに手配する。だから…、あなたは…決定するまで、仙台…動かないでくれる。宿泊先は…こちらから連絡する。」


橙、

「分かりました。」

「じゃ…お願いね。」


通話を切って橙。

「ふぅ…。」

またドアを開けて薫郎のベッドに。


薫郎、

「ボスとヤマチ、なんだって…???」


「これから、ユッキの転院手続き…取るって。」


その声に薫郎、

「おっと~~。そう来たか~~。」


橙、腕組みして、

「確かに…。一週間から二週間、仙台にで…は…。」





その後、フレバーの商品企画課長の阿川渚沙(あがわなぎさ)に伴われ病院を後に。




「木葉さん、大変でしたね~~。」


橙、

「はい。あの…、すみません。御手数掛けます。わざわざ病院まで…。」


「ううん、良いのよ。…多分…、これから東京と仙台、ジェシカとフレバー、私が担当することになるから、よろしく。」

そしてにっこりと。

「杉浦さん、…でも、何かしら、元気で安心した。腹膜炎って聞いて、お腹…痛いだろうな~~って、思ってたけど…。」


「新幹線で…だったから、もぅ…びっくりして…。」

「だよね~~。」


「でも…、みんなが…助けてくれた。駅のホームに、すぐに救急車の担架。」

「へぇ~~。」


「病院でも緊急ですぐに検査してくれた。杉浦君、強いよ。病気だっていうのに、全然落ち込んでない。」

少し、安心したように話す橙。


そんな女性を見て渚沙、運転しながら、

「ふふ…。」


橙、

「えっ…???」


「なんだか…羨ましいなって思って…。」


そんな渚沙の顔を見て橙、

「阿川…さん…???」


「ふふ、渚沙で良いよ。」

交差点を左に曲がりながら、

「木葉さんにとって…、彼…、杉浦さん…、大切な人…???」


その声にいきなり橙、

「へっ…???あっ、いえ…。いえいえいえ。とんでもない。そんな…。」


渚沙、

「かかかかか。ごめんなさい。うん。ごめんなさい。」


「阿川…さん。」

「なぎ…さ。」


「……。」

「いいなぁ~~。好きな男性…いるって…。」


橙、

「へっ…???」


「ん~~~???…はは。なんでだろ。付き合う人、付き合う人、みんな…離れてく、私の場合…。」


橙、目をパチクリさせて…、

「え~~っ???」





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