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翠と橙(みどりとゆず) vol.146 「俺…、点滴…してんだ。」

薫郎、自分の左側の細長く細いチューブを見て、

「俺…、点滴…してんだ。」


橙、

「うん。腹膜炎…だって…。」


「落ち着いて…きたようね…。」

橙の傍からひとりの女性。


薫郎、初めて見る女性の顔に…、

「あの…???」


「久留須…蘭…と申します。」

蘭。そして橙の顔を見て、

「ゆずの…姉です。」


薫郎、

「えっ…???ゆずの…、お姉さん…???」


「新幹線で、偶然。私のおっきぃお姉ちゃん。」

橙。


薫郎、

「いやいやいや。何て言う偶然。」

その瞬間、薫郎、

「あっ、ゆず、田島川専務に連絡…。」


その時、蘭、

「へっ…???」


橙、

「うん。これから…。もう…矢萩リーダーには連絡してある。リーダーの方から連絡入れておくって言われた。私も連絡入れる。」


蘭、

「あなたたち…、何、新しい取引先への挨拶って…、フレバー…???」


薫郎、

「えぇ…。」


橙、

「あっ、そういえば…、駅で蘭姉ちゃん、電話…???」


蘭、

「ふん。私も…フレバーに…。特集記事…。一週間前から約束してたのよ。…で、今日…。」


薫郎、

「特集記事って…???」


「あっ。ごめんなさい。私…、週刊シャンディアの…編集者、やってます。」


その声に薫郎、

「週刊…シャンディア…???」

そして目をキョロキョロさせながら、

「あっ。えっ…!!!あの…、週刊シャンディアの…、久留須…蘭…。」

いきなり鼓動が高鳴り、

「めちゃくちゃ、ベテラン記者じゃないですか~~。あつっ。」

顔を顰めて…。


橙、

「ユッキ!!!」


蘭、

「あ~~っと。そんなに興奮しないで…。そして…。周りの患者さん…。」


薫郎、

「つつつつ…。痛って~~。」

そして数秒後…、ようやく落ち着いて、

「ゆず~~。この人…久留須さん、めちゃくちゃ凄い記者だよ。結構雑誌の…トップのページも、この人…。」


橙、

「そ…う…なんだ…。」

キョトンとして…。


「ある意味…、ボスもこの人と、繋がっているって…噂…。」


その声に橙、

「えっ…???おじちゃんと…???」


蘭、

「ボス…???…アンジェリーナ…。そして…ジェシカ…。」

蘭、空を見ながら、目をキョロキョロさせて…。

「ふ~~ん。まっ、ねぇ~~。」

そして、

「さて…。私は…。もぅ…この辺で…、いっかな~~。田島川専務に電話…しなきゃ。ゆず。あんたも…早く連絡入れときな。専務、心配するから…。とにかく、フレバー、これから…大切な取引先になるよ。田島川社長、かなり…やり手だからね~~。」


橙、

「あ~~。そうだ。」

そして橙、肩に掛けてある自分のバッグの中から。


「ば~~か。今から私が連絡するって言うのにあんたが先に連絡してどうする~~。とっくに矢萩リーダーが連絡してるよ。」


橙、

「あっ。そっか…。」


「もう少し、落ち着いてからでも、いいんじゃない…???」

「うん。分かった。」


「んじゃ、私はこれで…。」


薫郎、

「ありがとうございました。あっ。」


「ん~~???」

「杉浦…薫郎と言います。」


ドアまであるいて、そして振り向いて蘭、

「すぎうら…ゆきお…。うん。覚えとく。じゃね~~。」


橙、

「蘭姉ちゃん、ありがと。」


蘭、

「おぅ。ふふ。バ~イ。」

他の患者や付き添いなどにもお辞儀をしながら立ち去る蘭。


橙、ベッドの傍の椅子に腰かけて。そして薫郎の顔を見て。

少しずつ目が潤む。そして…鼻水が…。

「グスッ。」





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