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翠と橙(みどりとゆず) vol.145 蘭、「ただ…、ベテラン記者では…ありませんけど…。」

蘭、

「ただ…、ベテラン記者では…ありませんけど…。」


千慧、

「お世話様です。ジェシカの…山根です。」


「存じております。山根千慧営業マネージャー。矢萩リーダー共に、ご無沙汰です。」


万美、

「週刊シャンディアの久留須…???…誰…???」


翠、

「私も…知らない…。」


蘭、

「今…、緊急室に…。もう…しばらく…掛かると…。」


その時、ドアが開き、蘭、

「あっ。終わったようです。」


呉羽、千慧、

「……。」


呉羽、

「久留須さん…。すみませんけど…。」


蘭、

「はい。このままで…。」


呉羽、千慧と翠を見て…。千慧、翠、頷く。


橙、蘭、

「先生…。」


看護師と医師。

「患者さんの…???」


蘭、橙の右二の腕を突っついて。


橙、

「あっ。はい。同じ会社の…木葉と申します。あの…???」


医師、

「そうですか…。…で、あなたは…???」

隣の女性を見て…。


「姉です。」

橙に手を差し出して。


医師、

「患者さん…。腹膜炎です。」


スマホのスピーカーから聞こえる医師の声。


一同、

「腹膜…炎…。」


蘭、

「腹膜…炎…と言うと…、先生…。」


医師、

「えぇ。私たち…、内臓器の表面、そしてお腹の壁の内側を覆っている膜があります。その膜が何らかの原因で炎症が起こる疾患です。」


遠くから聞こえるような医師の声を、

呉羽の机の上のスマホのスピーカーから流れる音声に耳を傾けるスタッフたち。


翠、

「腹膜炎…。」


橙、

「先生。…あの…、杉浦君。」


医師、

「えぇ…。この患者さんの場合、腹膜炎。ただ、この腹膜炎の中にも2つのパターンがあります。急性と慢性。そして、この患者さんの場合は…、急性です。」


橙、

「急性…。」


呉羽、千慧、

「急性…。」


蘭、

「…と、なりますと…???…先生…。」


「慢性の場合は、手術が必要となります。それとは逆に、急性の場合は、多くの場合、絶食と抗生物質の点滴で治る可能性があります。」


その話を聞いた途端に、いきなり橙、体がフラリと…。


蘭、

「おっと。」

橙を支えて…。


橙、

「あ…、ごめん…。」


医師、

「ご心配ですね。とにかく、あとは…看護師の方から…。」


フロアでは…、既に、翠が、呉羽の机の前で、腰砕け寸前になっていた。

それを万美と尋音が両脇から支えていた。


翠、

「急…性。」


呉羽、大きくため息を突いて、

「ふぅ~~。」

右肘を机に、髪に手を入れて…。


千慧、腕組みをしたままで…、そして少し、目を潤めて、唇を引き締めて、

「参った~~~。」


そんな千慧を見て飛香、

「マネージャー、目…赤…。」

と、小さく…。


隣で立っている礼人、

「当然だろ。ヤマチのお気に入り、ユッキだぜ。」


そして医師がその場を離れる直前に、

「そして、最後に、治療には…入院が必要となります。では…。私は…これで…。」


その声がスピーカーから流れた瞬間、呉羽、千慧、

「あっ。そっか~~。ヤマチ…。」


千慧、

「うん。」


翠、

「入院…。」


橙も蘭も、

「…入院。」



病院に到着して、2時間が経過していた。



薫郎の病室、多床室。

点滴中の薫郎。付きっ切りの橙。

「ユッキ。」


ようやく落ち着いてきた薫郎、橙の顔を見て、

「ごめんな、ゆず。まさか…俺がこんな…。」


橙、

「うん~~。びっくりしたよ~~。」





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