↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
129/259

翠と橙(みどりとゆず) vol.130 「黙って、傍についていれば、それでいいんでぃ。」

「そうだったんか~~。てぃへんだったなぁ~みど~~。」

焼き鳥を焼きながらカウンターの丁度真ん中の席の翠をチラ見しての雅樂。


「大将~、生くださ~~い。」

隅の客。


雅樂、

「あいよ~~。絃~~。」


絃、

「は~~い。」


「生きた心地…しなかった。」

ジョッキを両手で握るように翠。


そんな翠を両隣で見つめる万美、尋音、そして橙と飛香。


「私…なん~にも…できなかった。…ただ、あたふたしていただけ…。」


そんな翠をまたチラ見する雅樂。

「…んなもん、なんだ~~。できる訳、ねぇ~だろうよ。」

焼き鳥焼きながら、

「黙って、傍についていれば、それでいいんでぃ。」


万美、

「雅樂…じぃ。」


翠、

「……。」


「それに…、その方が、周りだって、安心するって~もんだろ。」


その雅樂の声にまた翠、沈黙。そして、

「ふぅ…。」

そして、

「…って、言うか…ゆず…???」


何やら巽の事を気にして、目が潤んでいる橙。


飛香、

「ゆず…ちゃん。」

鼻水を啜って。唇を絞って。指先で目尻を拭って。

「ふぅ…。んん…。従姉に…電話したんだけど…。通じない。…多分…仕事…してる。」


翠、万美、

「うん。」


尋音、

「へっ…???ゆずの従姉って…???」


万美、

「看護婦なんだって。聖露奈理亜医科大の…。」


「へぇ~~。」


「ほぃ、上がったよ~~。ゆずちゃんに、隣の…。」

そしてにっこりと雅樂、

「お初で~~す。」


「鑑飛香と言いま~~す。わぉ、おいしそ。」

にっこりと飛香。


「飛香ちゃんか~~。けけけけ。」


翠、

「何よ、その笑い。」


「バカ言ってんじゃねぇよ。可愛いから笑ってんじゃねぇかよ。なぁ~~ゆずちゃん。」


その声に橙、目を潤めながらも、

「かかかか。」


「おぅ、おぅ、笑っちまえ。お前さんたちにゃ、泣いた顔なんて、似合わねぇからよ。いつも笑ってな。なぁ、万、尋。」

そして、

「折~~っ角、そんな可愛い、綺麗な顔、してんだ、勿体ねぇだろ。」


万美、尋音、鼻の下を思いっきり伸ばして、顔を見合わせて、

「久しぶりに聞いた…。」

「ねぇ~~~。」


「てやんでぃ。そんな毎回言ってたら、白けちまうだろ。」

そして、

「たま~~に言うのが…、愛情ってもんだ、なぁ~~。」


飛香、食べながら目を真ん丸くさせて、

「おいっしぃ~~。うんうん。生、お代わりお願いしま~~す。」


翠、

「はいはい。あっ、絃、いいよ、私やるから。」


カウンターの中でフライパンを使いながら絃、

「ごめ~~ん、お願~~い。」


飛香、隣の橙の右二の腕をコンコンと、

「綺麗な店員さ~~ん。」


橙、

「ふふ。でしょう~~。」


テーブル席の客、雅樂に、

「大将、綺麗処ばかりで、羨ましいね~~かかかか。」


そんな客に雅樂、

「おぅ。ありがとよ~~。こいつらがいる限り、あんたらがここに来てくれる。千客万来で、嬉しい悲鳴でぃ。」


その瞬間、万美、尋音、同時に後ろに振り返り、そして飛香の生のジョッキを持ちながら翠、

丁寧に客に挨拶して、

「いらっしゃいませ。ありがとうございます。」


その声に客、

「こりゃやられた。教育も抜群と来た。ははははは。」


そして向かいの客も、

「かかかか。なんでもかんでも、旨ぇ訳だ。ここのは…。」


カウンターの中で絃、にっこりと。

そして雅樂、翠と万美、尋音に、小さな声で、

「ありがとよ。」


3人、顔を見合わせて、

「ふふ。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。