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翠と橙(みどりとゆず) vol.129 「守ってやんなきゃ。ウチのルーキー。」

「私の従姉が看護婦しているとこなんです。」

橙。


「看護婦…???」

翠。


「うん。後で聞いてみます。」


翠、

「う…、うん…。看護…婦…。」

唇を尖らせながら…。


そんな翠を見て橙、

「どうか…しました…、チーフ…???」


翠、思わず右手を前に右左に…、

「いやいや。なんだか…、凄い偶然…重なるなぁ~って、思って…。」


「偶然…???」


「うん。巽君…。あ…、いや…遊馬君と新幹線でバッタリ。しかも、新幹線での席も…。隣同士。んもぅ~~、いきなりだったから、び~~っくりよ。」

そしてひと呼吸置いて翠、

「それに彼の行先も、私と…、凄い、同じ場所で…。単に目的が違うだけ…。それに…彼が倒れたときも、傍に看護婦が偶然…いて…。」


橙、

「……。」


「それに、その病院の看護婦…、ゆずの従姉…なんて…。凄いよ。」


そんな翠に橙、

「あ~~。でもでも、私の従姉…、まだまだ…看護婦…成り立てなんです。確か…、去年…看護学校…卒業して…。ようやく、晴れて看護師になれた。なんて、言ってましたから…。」


翠、

「へぇ~~。そうなんだ~~。」


そして橙の気分も落ち着き、フロアに…。


呉羽のデスクに橙、

「リーダー、すみませんでした。」

と、ペコリ。


呉羽、

「もう…???」

橙の顔を覗くように…。


「はい。大丈夫です。」

「よし。はい。頑張って~~。」


自分のデスクに向かう橙にテーブルで資料を見ながら美祢、

「あ~~っと、ゆず。ここ、ここ…。これって…???どうなってんの…???」


橙、

「あ~~。ここは…。」


そんな光景を見ながら呉羽、

「守ってやんなきゃ。ウチのルーキー。」


そして、ドアが開く、

「毎度で~~す。ルッポラで~~す。」


その声にスタッフたち、

「!!!!」


翠、そして橙がいきなりドアの方を…。

他のスタッフたちも、自然的にドアの方を…。

その場が一瞬、時間が止まったように…。


僅かに3秒ほど…。


けれども、またいつもの動きに。そしてドアに向いていた顔も、元に戻って。

巽よりは、かなり背の低い、そして、少し痩せ型の男性。


誰一人、相手にするスタッフは…。

「はい。ありがとうございます。」

一番近くにいた、麗佳。


男性、

「あっ、すみません。ありがとうございます。」


万美、

「昨日も…彼…、だったもんね~~。」

と、ポツリ。

「あっ。遊馬君…、休だ。…ってね~~。…思ったんだけど…。」

またまた椅子をスライドさせて、

「ねね、みど。見舞い、行こ。病院どこ…???」


パソコンの画面を見ながら翠、

「うん。聖露奈理亜医科大学。」


万美、

「聖露奈理亜医科大学……。…って…どこ…???」


「東京駅から…。」

記憶を辿って翠、

「20分…弱…かなぁ…。」


唇を尖らせて万美、

「……。」


「あっ、でも…、私…救急車の中だったから…、もっと、時間…掛かるかも…。」


そんな翠、万美の前に、

「ここです。」

スマホの画面を…、橙。


万美、

「おっと。」

橙のスマホを、

「ちょっと…ごめん。」


「私の従姉が、そこで、看護婦…やってるんです。」

橙。


「へぇ~~。そうなんだぁ。」

「多分、今日あたり、ルッポラの人たち、見舞い、行くかもね~~。店長、病院に来たから…。昨日…。」

翠。


そして麗佳、伝票にサインして、

「ありがとうございました。」


「毎度どうも~~。」

ドアの向こうに消えていく青年。




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