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翠と橙(みどりとゆず) vol.123 美南、笑顔で、「うん。経過…見ましょう。」

その時、ドアが開いて、ひとりの看護師。美南に向かって手を。

美南、ドアの方へ。


そして看護師の話に頷いて、また点滴の方に。

「遊馬さんのご家族と、連絡が付いたようです。お母さまの方が、こちらに向かっているとの事で…。お父様の方は…少し、時間が掛かるかと。今、都内にはいらっしゃらない…との事。」


珂帆、

「そう…ですか…。」


美南、

「先ほどの続きですが、後々、ご家族にも説明しますが…、この点滴を行う事で、閉ざされて、塞がっていた血管が再び開通する事が可能なんです。つまりは症状が改善する可能性があります。」


その声に翠も珂帆も、

「えっ…???」


「そして脳梗塞から、解放されての…後々の後遺症。…これも、全くないか…。或いは…、40パーセント弱…。くらいの、治療成績…。」


翠、

「すごっ。」


「後遺症、全くないか…と言うのが、発症してから3時間以内に、この治療を施した場合です。」


翠、

「えっ???…それじゃ…。」


美南、笑顔で、

「えぇ…。…可能性は…、十分に、考えられます。今回は、偶然が…重なりました。」


珂帆、看護師に、

「この…点滴って…???」


もう一人の看護師、

「tPAという薬剤を静脈内に点滴しています。この薬剤で、詰まった脳の血管内の血栓を溶かして再開してあげるという療法になります。」


そして美南、

「でも…この治療法は、脳梗塞を発症した誰にも効果があるという事ではないんです。…一般的に、発症から数時間以内しか…。効果がないんです。」


翠、

「じゃあ…。」


美南、笑顔で、

「うん。経過…見ましょう。」


「はい。」


「それでは、少々、お時間…よろしいでしょうか…。」

美南、ふたりに向かって。


翠、珂帆、

「あっ。はい。」




そして数分後、廊下で珂帆、

「ごめんなさい、逢坂さん、私…店に連絡を…。」


翠、

「あっ。はい。」


時計の針は夜の8時…5分前。


翠、自分のスマホを持って…。

「ん~~……。」


珂帆は窓際で電話をしている。


その時、翠のスマホに着電。薫郎からである。

「もしもし…、ユッキ…。」


スマホの向こう、

「や~~っと繋がった~~。とっくに東京着いているはず…。けど、何も連絡ないから。」


翠、力のない声で、

「ユ…ユッキ…。」


その声にスマホの向こう、

「…ん…???どした~~???何か…あった…???」


その声に翠、

「あ…。うん…。」

そして椅子から立ち上がり、珂帆とは逆方向に歩きながら、小さな声で、

「今…、病院。」


「へっ…???」


スマホの向こうから雑踏の音と、何かしら電子音が聞こえる。


「ユッキ、今、駅…着いた…???」

「あ~~。…えっ。何…病院って…???みど、おまえ…、何か…???」


そんな声に翠、

「ううん。私じゃない…ん…だけど…。実は……。」





病院内のロッカー。


着替えをしながら、麗奈、

「師長、お疲れさまでした。」


美南、デニムパンツを穿いて、ロッカーの中のブラウスに手を伸ばす、

「う~~ん、麗奈こそ、お疲れ。折角の休みなのに…、遅くまで…。」


「いえいえ。いい勉強になりました。」

「え~~???」


「私…、初めてなんです。こういうケース。」


その声に美南、目をキョロキョロさせて、

「あっ、そっか~~。」



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