翠と橙(みどりとゆず) vol.122 ベッドの中の巽を見て翠と珂帆…。
ベッドの中の巽を見て翠と珂帆、
「…あすま…くん。」
「巽君。」
美南、麗奈、
「…ん…???」
美南、
「点滴…始めてます。」
翠、
「あの…。どうなんでしょうか…。」
また涙を溜めて。
珂帆、そんな女性を見て、
「あなた…???」
翠、
「あっ。すみません。ジェシカの…逢坂と言います。」
珂帆、
「うん。いつも、ありがとう。」
「実は、遊馬君と、新幹線でバッタリと会って。…私も名古屋出張だったんです。…で、ふたりとも、行き先が同じで…。」
珂帆、
「へぇ~~。」
そして、思い出したように、
「もしかして…、ロンド…???」
「えぇ…。」
そして翠、
「あまりに偶然で…。それで遊馬君が接遇、そして私がメーカーの挨拶に…。」
珂帆、
「うん。」
「そして帰りも同じに…。そして、東京駅に着いて、ホームを歩いていたら、その時に、いきなり倒れて。」
「多分、その前に、何かしら…前兆…みたいな…ものが…。あったのかも…。」
美南。
「…けど、良かった~~。私たちも偶然にその場所に…。」
その声に珂帆、少しなりにも安堵の表情で、
「まぁ…。」
翠もコクリと、そして目尻から零れた涙を拭いながら、
「ありがとうございました。…私一人だったら…。」
そんな翠に珂帆、
「逢坂さん、怖かったでしょう~~。」
美南、
「先ほど、先生からも説明あったように、診断は脳卒中。遊馬さんの場合は脳卒中の中でも血管が塞がる脳梗塞。」
翠、珂帆、…その脳卒中、脳梗塞という言葉を聞いた瞬間に重い表情になり…。
珂帆、右手指で自分の唇を。
翠、点滴の傍にいる看護師を見て、
「看護婦さん…。」
美南、
「うん。確かに、脳卒中や脳梗塞という言葉…、怖いよね。」
そして少し間を置いて。
「でも…、さっき、先生も言ってたけど…。今回のケース。とにかく発症してからの時間の経過が短いの。」
翠、
「えっ…???」
珂帆、看護師を見て、
「……。」
「遊馬さんが東京駅で倒れて、この病院に搬送されて、検査を受けて、今…この状態。点滴を始めている。…まだ、3時間も経っていない。」
翠、ここで初めて東京駅での出来事から、今現在の事を…、
「あっ。」
「つまり…。」
美南。
「どんな怖い病気ではあっても、良く言われるように、早期発見。とにかく、早ければ、早いほど。症状が軽い。若しくは治療で解決できる。」
その、「解決できる。」の言葉に、翠、
「あっ…。」
少し安堵の気持ちが…。
珂帆、
「看護婦さん。」
「えぇ…。」
美南。
「多分、私たちがその場所に居合わせたのも、何かしらの偶然。もう…あの状態から、もしや…。という予測はありました。当然、この沢木も同様。」
翠、珂帆、もう一人の看護師にお辞儀を。
「そして、東京駅から…とは言っても、これも偶然かしら。私たちの勤務する、この病院に電話連絡して状況と状態を伝えた。」
翠、
「そうだったんだぁ。」
「そして救急隊員にも、その旨、話しておいて…。そして、MRIで、結果が出た。…それまで…2時間。」
「今、点滴…続けられています。」
麗奈。
珂帆、
「ありがとうございます。」
そして珂帆、その点滴を見て、
「看護婦さん…???」
美南、
「はい。そうですね。この点滴…。」




