翠と橙(みどりとゆず) vol.116 寺崎と流歌を不思議に感じていた翠…。
「…で、ジェシカの企画開発の逢坂さんって、どんな人…???一度会いたいって。何回も。」
寺崎、流歌の顔を見ながら可笑しそうに。
流歌、そんな寺崎に、
「はいはい。うるさくつきまとってすみませんでした。」
電話をしていた流歌、受話器を置いて、座っている寺崎の隣にチョコンと座る。
「はい。お陰様で、企画開発からは…私が、御社の担当に…。」
翠。
流歌、目の前で両手を叩いて、
「ありがとうございます。一緒にお仕事できる。嬉しいです。」
そんな流歌の顔を見てクスクスと笑う寺崎。
何かしら、寺崎と流歌を不思議に感じていた翠、ふたりを交互に見ながら…。
その仕草に気付いた寺崎、
「はははは。や~~っぱり。」
翠、
「えっ…???」
「なんだか気になるでしょ、私と…。」
流歌を指差して。
翠、
「あっ。いや…。いいえ~~。」
寺崎、
「かかかか。目が…そう言っている。」
一瞬赤くなる翠。
「草島流歌、私の…姪なんです。私の姉の次女。」
翠、突然、
「えっ!!!わっ!!!いや…。え~~~っ!!!!」
両手を上げて、
「わ~~。そうなんですか~~。道理で…。」
寺崎、
「ねっ。結構私には…図々しいでしょ。」
流歌、唇を尖らせて。
「…けれども、仕事はできる。統率力は…、ウチのチームではピカ一。しかも、社長にまで好かれているから、恐ろしい。」
流歌、
「あのね~~。」
「社長に好かれて、秘書課でも可愛がられて。」
翠、
「へぇ~~~。草島さんって…???」
そんな翠に流歌、
「…ん…???うん。私、24です。」
「へぇ~~。私と…同い年~~。」
流歌また顔の前で両手を叩いて、
「わっ。嬉しい、同い年だ、同い年だ。これからも、よろしくお願いしま~~す。」
翠、
「はい~。こちらの方こそ。東京来たら、寄って下さい~~。」
「うんうん。その時はよろしく~~。」
その時ドアが開いて、一人の女性、
「いらっしゃいませ。お待たせしました。」
翠をここまで案内してくれた女性である。
トレイのコーヒーをテーブルに。
流歌、
「ありがとう~。堤さん、こちら、ジェシカの逢坂翠さん。」
堤、
「はい、伺っております。」
流歌、
「堤眞奈さんって言って、庶務課の人なの。物凄い、なんでも屋さん。私のお姉さんって感じの人~~。」
眞奈、
「そんな…、主任…。」
「このコーヒーも、しっかりと…淹れてくれたんでしょ。」
その声に翠、
「えっ!!!」
眞奈、
「はい。大切なお客様だと伺ってましたから…。」
流歌、
「ありがと。」
眞奈、
「失礼します。」
寺崎、翠にコーヒーを勧めて…。
翠、
「頂きます。」
そして一口。目をまん丸く、
「おい…しい…。」
流歌、笑顔で、
「ねぇ~~。」
そして、寺崎と流歌、翠の今後の仕事の話が続く。
一方、翠と別れて30分後にはホテル内のレストランで始まった接遇セミナー。
東京都内のルッポラの各店舗から1名ずつ。
残念ながら巽がこの1名ずつは顔を見た事もない…。
当然ではある、入社してまだ数カ月か、1年目、2年目のスタッフばかりである。
お互いに話をしながら、一番若いスタッフ、
「へぇ~~。遊馬さんって、もう~ベテランじゃないっすか~~。」
巽、
「いや…。はは、まぁ…ねぇ。うん。」




