翠と橙(みどりとゆず) vol.117 もしかして…、の、密やかな期待…。
接遇セミナー午前の部を終えて巽。
スマホの電源を入れると、1件のライン。
「おっと~~。みど。ただいま、ロンドの人とランチ中~~。そっちはどう…???」
メールを読み終わって、
「いやいや早い。まだお昼前でもうランチか…。」
ひとりのルッポラスタッフ、
「遊馬さん…、飯…いいっすか。1時間、たっぷりありますよ。ここ、いろんなの…あるみたいっすから。」
巽、
「だ~~ね~。」
その後、翠はロンドの中をいろいろと案内させてもらい、そして打ち合わせも続く。
巽も午後の部。そしてセミナーは午後4時過ぎに終了。
その30分前には、ロンドとの打ち合わせも終了して、
翠はそのまま、流歌と共にまだまだ見てないロンドをじっくりと…。
その内、同じ場所にいるのだから…、もしかして…、の、密やかな期待…。が…。
あるフロアで、遠くから、見慣れた男性の顔。
翠、右手を挙げて指先だけヒラヒラと。
それに気づいて男性も右手を掲げて…。
流歌、
「…???…知り…合い…???」
「うん。偶然に同じ場所に…。あちらはここのホテルのレストランで接遇セミナー。」
翠。
「凄い、かっこいい~~。背ぇ高っ。」
自分のところに近づいてくる巽に、
「お疲れ~~。」
巽、
「うん。あっちこっち、ぶらぶらしてた。」
流歌、
「あ~~。逢坂さん、一緒にご飯食べるって、この人…???」
翠、
「うん。こういう事、滅多にないから。…流歌さん…???」
流歌、
「うんうん。全然平気。一緒にご飯しよ。」
巽、翠に目で合図。
翠、
「うん。こちら、ロンドの草島流歌さん。今後、私、この人とロンドの仕事、することになるの。」
そして翠、
「流歌さん、こちら、私の会社にランチ、デリバリーしてくれてるレストランの人。遊馬…巽さん。」
流歌、
「こんにちは。へぇ~~。かっこいい~人~~。ねね、逢坂さんの…もしかして…。ん~~???」
口を真一文字に…。
翠、
「へっ…???あっ。いえいえ。全然。」
いきなり両手をひらひらと。
巽もキョトンと。そして頭を掻いて…、
「いやいや…参ったな~~。」
翠、
「かかかか。この人にはもう…彼女さん、いますから。」
巽、
「みどっ!!!」
流歌、その声を聞いて、
「おんや~~。ははは。みどって…。逢坂さん。」
翠、小さな声で、
「ユウマっ。」
流歌、またもや、
「あらら。逢坂さんまで…。ユウマ…???」
そして、両手を後ろに回して、にっこりと、
「いいんじゃない…。」
自然に3人一緒に歩きながら…。
流歌、
「それにしても、彼氏さん、背…高~~。もしかしたら、おじちゃんより高いかも…。何センチ…???」
巽、
「…おじちゃん…???」
翠、
「あ~~。ロンドの企画開発室長、なんと、流歌さんのおじさんなんだって。」
「へぇ~~。わお。」
「物凄いかっこ良い人…。寺崎さんって言うんだけど。寺崎さんも背ぇ、高いよね~~。」
巽、流歌に顔を向けて、
「100…85…です。」
流歌、
「わお。高っ!!!」
そして、
「かかかか。私ら…肩までしかない。」
自分の頭から右手を挙げて。
「うんうん。」
そして、
「逢坂さん、私も…みどって呼んでいい…???」
その声に翠、キョトンと。そして笑顔で、
「えぇ…。はは。良いですけど。」
流歌、
「キャッ。うれし。…じゃ、私の事も、ルカ…で、お願いします。」
翠、
「え~~。大切な…お客様に対して…。」
「いいじゃん、いいじゃん。」
巽、笑顔で、
「はは。」




