翠と橙(みどりとゆず) vol.104 翠、両眉を般若のように…、「はい…???」
「人との出会いって…、不思議だよね~~。」
いきなり巽。
翠、
「へっ…???」
「ほら。今日だって。…まさか、逢坂さんに会うとは…。」
「あ~~。はははは。うん。そう。まさか、遊馬君と会うなんて。ねぇ~~。」
巽の目が翠から離れる。
「おっ。来た来た~~。」
翠、首を右斜め後ろに…。
「わお。」
ウェイトレス、
「お待たせしました。グリルチキンのピリ辛トマトソースドリアになります。」
翠、
「へぇ~~。おいしそ。うんうん。」
巽、
「では…頂きますか。」
翠、
「は~~い。」
そして、一口。
「うんうん。なかなか…。お~~いし。うんうん。」
巽、にっこりと。
「あの…。逢坂さん…???」
翠、
「はい。」
目をキョトンとして。
「会場で、逢坂さん、僕の事、からかってたでしょ。」
翠、両眉を般若のように…、
「はい…???」
いきなり巽、
「ぷっ…。かかかか。なんで、逢坂さん…両眉、般若みたい。」
翠、またまたキョトンとして、
「え、え、え…。いや…巽君が変な事…言うから…。」
巽、また名前で呼ばれていきなりドキン。
「あっ、いや。だって、僕は…もう…、ああいう場所って、ほら、初めてだから…。」
翠、
「しかも、背が高くて、目立つ。みんな…見惚れてたんじゃないかな…。巽君、かっこいいから…。」
巽、
「えっ…???」
「へっ…???あっ。いや…。やだ、私…また…なにか、変な事…言った…???」
巽、
「あっ。いやいや。…まっ、確かに…。みんな…、周り、女性ばっかりで…、しかも…頭のてっぺんが、僕の肩…。」
そして、頭を下げて、
「そりゃ、目立つよな~~…かかかか。」
「遊馬君って、身長…???」
「185…。」
「やっぱり…背ぇ、高いよね~~。元々、そんな…背ぇ…高かったの…???」
「い…や~~。高校3年の頃、身体測定で、3センチ…。2年の時より、身長、伸びてたんだよね。多分、あの頃からかな。毎年、少しずつ、伸びていたみたい。」
「その…2年の時って、どの…???」
「170センチ…あった。」
「でか。」
巽、
「かかかか。」
笑いながら…。
「でも…高2の時に、サッカーの試合で脚、骨折して、入院。まさか…、背が伸びるなんて、思えなかったんだけど…。ふん。この通り…。」
翠、
「えっ…???遊馬君って、高校の時、脚、骨折して入院…。」
巽、
「あっ。……、いや…。こんな話して…。」
「ううん…。」
巽、少しずつ、鼓動が高鳴る感じ。
翠、一瞬、自分も高校の時に病院に入院していたことを思い出して…。
「同じ…境遇の人って…、いるんだね~~。」
巽、
「えっ…???」
ドリアをまた一口食べて翠。もう既に半分以上、食べ終わっている。
「私も…、高校の時、交通事故に遭って、病院…入院してたんだ。」
「交通…事故…。」
「…うん。一ケ月…ちょっと…だったかな~~。」
少し思い出して、僅かに目が潤む翠。
「そのせいで、お父さん、死んじゃった…。」
少し鼻水混じりに。
数秒の沈黙。
いきなり翠、
「あっ。ごめ~~んなさい。私の方が、こんな話。」
左手を目の前でひらひらと…。そして舌を出して、
「ごめんね。」
巽、
「ううん…。僕より、逢坂さんの方が…。お父さん…。」
翠、目に涙を浮かべて…。それでも笑顔で…。




