翠と橙(みどりとゆず) vol.103 身を乗り出して、「何々…???」
翠、そんな巽の声にも思わず、身を乗り出して、
「何々…???」
「多分、そのすぐあとだと思う。」
「うんうん。」
「歩いていると、地面に一枚の少し大きめのカードのような…。」
翠、
「大きめのカード…???」
「なんだと思う…???」
「なにかの…割引券か…。そのような…???」
巽、いきなり、
「ぷっ。あっ、いや…。ごめん。そっか~~。そんな風に感じるか~~。」
翠、
「…って、違うの…???」
巽、
「ヒント。」
「うん。」
「僕、ゆずが東大の入試、受験日って言ったよね。」
「うんうん。」
「その日にないと困るもの。」
その巽の声に翠、
「入試…、受験日に…ないと…困るもの…???は…あ…???」
翠、空を見て、目をキョロキョロと…。
「受験日…、ないと…。」
目の前で、両手親指と人差し指…。
「ん~~…???」
そして、今度は腕組み。
「なんだ…???」
「降参…???」
翠、
「うん。うんうんうん。分かんない。」
口を尖らせて。
巽、
「なんと、受験票~~。」
その声に翠、
「うそ――――――――っ!!!!」
「いやいやいや。あの時はびっくりしたね~~。なんで、こんなとこに落ちているのか。」
翠、
「うんうんうん。…で…???…で、で…???」
「すぐ、辺り見まわしたら、横断歩道を走る女性の姿。」
「ぷっ、それがゆず…???」
巽、
「うん。…で、急いで追っかけた。」
「うんうん。」
「…で、ようやく追いついて、声掛けたんだよね。」
「うんうん。」
「けどさ、走りながら後ろは向くんだけど。一向に止まらない。」
翠、
「走ったままで…???」
「うん。」
「いい加減に、ふざけんな。って、思って、女性の右肩掴んで、止めた。」
「わお。」
「おい!!!ちょっと待てよ。これ!!!…って…。」
翠、びっくりしたような顔で、
「へぇ~~~。」
「お待たせしました。ビールになります。」
いきなりウェイトレス。
翠、
「おっと~~。」
巽、両眉を上に。
翠、
「うんうん。それで…???」
巽、
「とりあえず…、乾杯…しよっか…。」
翠、
「あっ。ごめん。」
そして、ジョッキをカチン。
一口、
「ん~~~。おいし。」
翠。
巽、
「かかかか。逢坂さん、その分だと、ビール、行ける口でしょ。」
「まっ。否定は…しません。住んでいるところが、焼き鳥屋…なんで…。ゆずから聞いてるでしょ。」
「えぇ…。」
「…で、で…???…で…???」
「うん。目の前に受験票出されて、わっ!!!!私の、受験票———————っ!!!!」
「かかかかか。そりゃそうだよ。確かにないと、絶対に困る。」
「何度も何度も僕に頭を下げる訳よ。」
「ぷっ。うん。」
「…で、バッグの中に仕舞って、そして、その時、一枚のチケットを僕に…。」
「チケット…???」
「ここに、午後5時に、待っていてくださいって…。」
「あらら~~。かかかか。かっわいい~~。」
「そのチケットが、ルッポラのチケット。」
「へぇ~~。」
「場所は、今のところとは違うけどね。」
「へぇ~~。それが、ゆずと初めての…???」
巽、
「うん。」
「なんだか…、センセーショナルな…。」
既に翠のジョッキは半分まで…。
巽、
「早っ。」
翠、
「えっ…???」
そしてジョッキの中身を巽のジョッキと見比べて、
「あっ。」




