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【完結】メスガキ様にざぁこ♡と罵られたいから、真の実力は隠そうと思う  作者: 竹間単
◆第三章 メスガキ様と誘拐事件

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16/39

●16

「もう大通りを何往復もしていますが……なかなか来ませんね、誘拐犯」


「もしかするとミルカちゃんは年齢的にアウトなのかもな。俺は全然アリだと思うが、年齢に厳しいタイプの誘拐犯なのかも」


 俺はメスガキ様マインドを持っている少女は全員メスガキ様だと思うが――とはいえ成人済みはアウトだが――、細かい年齢を気にする人もいる。

 ミルカちゃんとガブリエラは二歳しか年齢の差が無いが、誘拐犯はその二歳差にこだわる人間なのかもしれない。


「アウト? タイプ? アデルは何を言ってるんだ?」


「……何でもないから気にしないでくれ」


 こんなときにふざけている場合ではなかった。

 いや、俺としては大真面目に推理をしていたのだが!

 しかし他人にはふざけていると思われそうな内容だ。


「アデルバートさんってたまに変なことを言いますよね」


「たまにか? 割とよく変なことを言ってる気がするが」


「サイラス、俺のことをそんな風に思ってたのかよ」


 俺とサイラスとオリビアは、大通りを一人で歩くミルカちゃんを監視しながら会話をしていた。

 監視対象であるミルカちゃんは、友人の誕生日プレゼントを選んでいるという設定で、あっちの店へふらふら、こっちの店へふらふらとしている。

 しかしいくら待ってもミルカちゃんに近づく怪しい男は現れない。


「もしかすると囮作戦は一朝一夕で効果を発揮するものではないのかもしれませんね……それだと困るのですが」


「あんなに可愛いミルカちゃんに声を掛けないなんて、誘拐犯の目は節穴なのかもしれないな」


「そうだな、ミルカは可愛い。兄の俺が言うんだから間違いない! 年齢が離れてることもあって、もう可愛くて可愛くて。可愛すぎるせいで悪いやつらに狙われたらどうしようと思ったら、日々の稽古に熱が入ってな。ちょっと強くなり過ぎた気はするが、強い方が安全だよな!」


「確かに自分の身を守れるに越したことはありませんね」


 あまりにも平和すぎて、俺たちの会話は緊張感の無い雑談へと変化していた。しかし待つ以外にやることがないため、それも仕方のないことだろう。


「衛兵やギルドもガブリエラさんを探しているのでしたっけ?」


「昨晩から探してるらしいが、これまで町で起こった誘拐事件の犯人を一人も捕まえられてないから望みは薄いだろうな」


「ギルドに関してはあまり信じられないと学んだばっかりだしな。衛兵も仕事が多いから本腰を入れて探してはくれてない気がする。この事件のために割いた人員は一人か二人なんじゃないか?」


 町にはいつもと変わらない空気が流れている。少なくとも町を挙げてガブリエラを探している様子は無い。

 これまでの誘拐事件でもそういった大規模な捜索はされていないから、今回もそうなのだろう。

 こういう雑な捜索しかしないから、いつまで経っても誘拐犯を捕まえることが出来ないのだろうが……今それを言ってもガブリエラが見つかるわけではない。

 分かるのは、衛兵やギルド任せには出来ないということだけだ。


「やっぱりわたくしたちで誘拐犯を捕まえるしかないようですね。そういえば誘拐だと決めてかかっていましたが、ガブリエラさんが家出や駆け落ちをした線は無いのですか?」


「ガブリエラがどこの馬の骨とも知らない相手と駆け落ちだなんて、俺は絶対に認めない!」


「アデルバートさんの気持ちは聞いていません。と言いますか、アデルバートさんはガブリエラさんに対してそういった感情をお持ちなのですか?」


 そういった感情……恋愛感情を持っているのかと聞かれると、答えはノーだ。

 恋愛相手と言うよりは、ガブリエラのことは侵してはならない神聖なメスガキ様だと思っている。俺自身はもちろん、何人たりともガブリエラの神聖さを汚してはならないのだ!


「ガブリエラのことは可愛い妹のように思ってるんだ。だから、よく分からん男に妹はやらん!って気持ちかな」


 俺のメスガキ様に対する感情は他人には理解されない気がしたため、無難なことを言っておくことにした。

 すると俺の言葉を聞いたサイラスが、深く深く頷いた。


「分かるよ、アデル。俺だってミルカを嫁にくださいなんて言われたら、そいつをはっ倒す気しかしない。ミルカが欲しければ俺を倒せ!って暴れるだろうな」


「サイラスさんを倒すことの出来る一般人はそうそういないと思いますよ。ミルカさんの結婚相手には冒険者しか認めないつもりなのですか?」


「冒険者なんてとんでもない! あんないつ死ぬかも分からない不安要素だらけの職業のやつに、ミルカをやるわけがないだろう! もっと安定した男じゃなきゃダメだ!」


「ブーメラン……それにオリビアが言ったように、サイラスを倒せる一般人なんていないだろ……」


 サイラスが矛盾したことを、胸を張って言った。

 今さらだが、よくミルカちゃんはパーティーの一員になれたものだ。これだけのシスコンなら、妹を冒険者にはしたくなかっただろうに。

 さすがのサイラスも、頑固で気の強いメスガキ様であるミルカちゃんには負けてしまったのだろうか。

 ……負けたんだろうなあ。今回の囮作戦を押し切られたように、サイラスはミルカちゃんに弱いから。



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