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【完結】メスガキ様にざぁこ♡と罵られたいから、真の実力は隠そうと思う  作者: 竹間単
◆第三章 メスガキ様と誘拐事件

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●15

「……というわけで、今日はいなくなった近所の子どもを探すから、素材集めには参加できないんだ。昨日に続いて今日も不参加で悪い」


「悪くなんかないぞ。知り合いの子がいなくなったなら、探すのは当然だ」


「そうそう。って言うか水臭いよ、アデルバート」


「ええ、わたくしたちも捜索にご協力します。捜索には人数がいた方が良いでしょうから」


 素材集めの予定を欠席することをパーティーメンバーに伝えると、彼らは怒るどころかガブリエラ捜索の協力を申し出てくれた。


「みんな、ありがとう。ただ、捜索をしようにも情報がまるで無いんだ。ガブリエラが男と一緒に歩いてるところを目撃した人はいるらしいが、男は中肉中背で特徴らしい特徴が無かったんだと」


「そのいなくなったガブリエラちゃんは、どのあたりを歩いてたんだ?」


「町の大通りを歩いてるところを目撃されたらしい」


「大通りで誘拐されたとは考えにくいから、その後に裏通りへ連れて行かれたか、どこかの家に入ったのかも」


「ダンジョンへ向かったのなら、ダンジョン付近でも目撃証言があるはずですからね」


 やはりみんなもガブリエラはダンジョンに潜ったのではなく、誘拐されたという予想にたどり着いたらしい。

 誘拐も困るのだが、ダンジョンに潜るよりはただの誘拐の方が、ガブリエラが生存している可能性が高い。生存確率という面においては、誘拐の方がまだマシなのかもしれない。


「誘拐なら、どこかに売り飛ばされる前に見つけないとな」


「そうだね。どこかの変態に売られてからだと、いろいろと手遅れになる可能性があるもんね」


 ミルカちゃんが真顔で恐ろしいことを言った。


「何よりも遠くまで移動させられてしまうのが厄介ですよね。一刻も早く見つけましょう!」


「そうだな。でも……どこを探せばいいんだ?」


 誘拐犯のアジトなど知りもしない俺たちは、全員が唸ってしまった。

 アジトを探すにしても、あまりにも手掛かりが無い。


「……そうだ! 私が囮になればいいんだ!」


 しばらくして、ミルカちゃんが良いことを思いついたと手を叩いた。


「ダメに決まってるだろ!」


 これに即座に反対したのはサイラスだ。兄として、ミルカちゃんを危険な目に遭わせるわけにはいかないのだろう。

 気持ちはよく分かる。

 メスガキ様を危険な目に遭わせてはならない。

 メスガキ様には、俺が危険な目に遭っているところを、安全な場所から笑ってもらうべきなのだ!


「ダメって言っても、じゃあどうやってガブリエラちゃんを見つけるの? 探す当てがあるの?」


「それは……でもダメだ、囮なんて危険すぎる」


「サイラスの言うとお……」


「待ってください。わたくしはミルカさんに賛成です」


 俺もサイラスのようにミルカちゃんの囮作戦に反対しようとすると、意外な人物が肯定意見を述べた。


「わたくしたちがきちんと監視をしていれば、ミルカさんはそれほど危険ではないと思います。誘拐犯はダンジョン内にいるモンスターよりも弱いですから」


「それはそうだが、しかし……」


「お兄ちゃんは心配し過ぎなんだって。私一人でも誘拐犯を倒せると思うよ」


 さすがにそれは誘拐犯を甘く見積もり過ぎの気がするが、パーティー全員が揃っている状態なら、十人程度の誘拐犯には負けない気もする。誘拐犯がそれ以上の人数だったり、誘拐犯が元冒険者だった場合は苦戦をするかもしれないが。


「誘拐事件は時間との戦いです。やるなら今しかありません」


「ほら、オリビアもこう言ってるよ。誘拐された女の子を一刻も早く見つけないと。別の町に売り飛ばされちゃったら、見つけることはほぼ不可能だよ」


「それは、うーん……その意見は正しくはあるんだが、うーむ」


 なんだか話が変な方向へ進んでしまっている。俺はガブリエラを探したいから素材集めを欠席すると伝えようとしただけなのに。

 まさかミルカちゃんを囮にして誘拐犯を誘い出す流れになろうとは。


「兵は神速を貴ぶんだよ。じゃあ私が一人で大通りを歩くから、三人は離れた位置から私を監視しててね。誘拐犯が接触してきてもすぐに出てきちゃダメだからね。出てくるのはアジトを突き止めてから。分かった、お兄ちゃん?」


 ミルカちゃんがサイラスに念を押した。

 妹のことを心配したサイラスが、すぐに飛び出してくることを危惧したのだろう。


「……ああもう! 分かったよ、分かった! その代わり、危険な真似はしないこと。誘拐犯を挑発したり煽ったりすることは、絶対に禁止!」


 いや、囮になる時点で危険な真似はしていると思うが。

 しかしサイラスの言葉を聞いたミルカちゃんは満面の笑みで頷いていた。


「ガブリエラちゃんの顔は、アデルバートが分かるんだよね?」


「もちろん」


 俺の言葉を聞いたミルカちゃんが手を伸ばした。

 その手の上にオリビアが手を乗せる。

 何がしたいのかを察した俺がその上に、最後に半分ヤケになったサイラスが手を乗せる。


「絶対にガブリエラちゃんを見つけ出すよ!」


「「「おおーーーっ!!」」」


 俺たちは全員で気合いを入れると、ミルカちゃん囮作戦を開始した。



   *   *   *



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