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23.帰り道、それと、恋

『今日はありがとね

 また遊ぼー』


送る。

確認する。

……変じゃない?


もっと何か送ったほうがよかった?

いや、重い?


考えていると通知が鳴る。


『こちらこそー!』


その一文だけで、

少し笑ってしまった。


夜道を歩く。


少しずつ夜の空気も暖かくなって、

どんどん夏が来てると感じる。


歩く。


   歩く。


      歩く。


心がふわふわして、

なんだか風船になったみたいだった。


地面を歩いてるのに、

ちゃんと足がついてない気がする。


コンビニに入る。


アイスコーナーを見る。


仁村くんならどれ選ぶんだろ。

……いや、なんで?


別に、そんなの。


アイスを買う。


外で食べる。


夜風が少し気持ちいい。


今日のことを思い返す。


笑った顔。


「素敵」って言った声。


「島、いなくなったりしないからな」


あの言葉。


思い出すたび、

胸の奥がぎゅっとなる。


なんなんだろう、これ。


嬉しい。でも、少し苦しい。


例えば。


このコンビニで買ったアイス。


例えば、

今当たってる夜風。


例えば、

綺麗に咲いていた街路樹の花。


見た時、

感じた時、


「あの人がいたら」


って思ってしまう。


その景色の中に、

自然と仁村くんがいる。


共有して。


話して。


笑って。


その顔を見て。


また、

よく分からない感情になる。


その全部が、

大切だった。


ずっと考えていた。


この感情は何なんだろうって。


友達ができたのが嬉しいだけ?


違う。


そんなの、

もう分かってる。


もし。


自分に都合のいい妄想を許していいなら。


私はたぶん、

ずっと前から気づいていた。


立ち止まる。


夜。


誰もいない道。


小さく、誰にも聞こえないように、

口に出す。







「……好き」





好き。

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