表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/31

14.涙と

俺は何をやっているんだろう。


ただ外に出てみただけ。


何か起こるかも、とか、

誰かに会えるかも、とか思ったのか。


そんなに、一人が怖いのか。


……時々、夢を見る。


学校に、俺の席はなくて、

誰も俺を見ない。


俺はそれも気にせずに過ごす。


そうすると、なぜかみんなから笑われる。


そして、俺も笑う。


たぶんもう、何もかもどうでもよくなってきているのかもしれない。


他人も、自分も。


そうしていると、仁村が歩いていた。


声をかけようとすると、

見たことのある女の子と一緒に歩いていた。


やめた。


それから少し歩くと、

三玉と六本木さんが歩いているのがちらっと見えた。


そっか。

二人とも、デートか。


中間試験も終わったし、気兼ねなく遊べるな。


楽しんでこいよ。


心の中で反芻する。


うるさいくらいに。


そうでもしないと、

二人に嫌な言葉を考えてしまいそうになるから。


そうしていると、クラスメイトに出会った。


「あれ、市ヶ谷じゃーん。何してんの、こんなとこで」


「いやー? 暇だし、ぶらぶらしてたとこ」


「じゃあ遊ばね? 今からカラオケで集合だけど」


「おー、いいね。行こ行こ」


嬉しいはずなのに。

楽しみなはずなのに。


心はぴくりとも動かなかった。


それでも、外面だけは、

もう一人でに動いているかのように、

表情と言葉を作っていく。


カラオケでは、まあ特に話すことはないかな。


歌って、話して、騒いで、終わった。


誰がいたかも、よく覚えていない。


誰かに分かってほしいとか、

そんなの不誠実だ。


だから、今日も、明日も、その先も、

こんな感じなんだろうな。


そう思っていると、なぜか、

本当に、なぜか、


俺は泣いていた。


やばい。

知り合いに見られてないよな。


誰かにこんなところ見られたらまずい。


早く帰ろう。


今日、外なんかに行くべきじゃなかった。


「市ヶ谷くん?」


顔を上げると、

そこには後藤が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ