表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす  作者: 蒼月よる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/78

見送りの朝

 出発当日の朝、デルガ港はいつもどおりに見えた。


 魚の競り、荷車の軋み、炊き出しの匂い。

 その「いつもどおり」を維持したまま出発できることが、第一部の到達点だった。


 メラは桟橋で荷札束を渡す。


「補給札は港ごとに色を変えた。混線するなよ」


 ガルムは行程図を折り、内ポケットへ入れる。


「夜行区間は短くした。未知水路で無理はしない」


 イオナは最後に掲示板を見上げた。

 今日の観測値、訓練予定、妨害記録。すべて更新されている。


 見習いミオが小走りで来て、報告した。


「夜番引き継ぎ、完了しました」


 イオナは頷く。


「任せる。困ったら公開を先に」


 出港直前、桟橋の端で代行責任者が呼び止めた。


「復旧訓練、次回は三日後で実施します。結果は外港便で送ります」


「了解。数字だけじゃなく、詰まった箇所も書いて」


 短い確認で、遠征中の連絡導線が確定する。


 船が岸を離れると、白墨の文字は小さくなる。

 それでも、読み方を知る人間が残っている限り、板は機能する。


 見送りの手はすぐ仕事へ戻った。

 誰も立ち止まらない。

 止まらないことが、いまのデルガの強さだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ