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七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす  作者: 蒼月よる


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戻る導線

 中央からデルガへ戻る船で、イオナはほとんど眠れなかった。


 勝っているのか負けているのか、判定しづらい段階だった。

 だが判定待ちの間にも港の運用は続く。


 デルガ到着後、彼女が最初に向かったのは共同掲示板だった。

 数字は更新され、訓練予定は守られ、妨害欄には昨夜の消去痕が記録されている。


 不在でも回っている。

 その事実が、胸の焦りを少しだけ削った。


 メラが言う。


「戻る導線、機能してるだろ」


 ガルムは補足する。


「次に出る前に、代行班をもう一段増やす」


 イオナは二人を見て、短く笑った。


「了解。次は私が消えても止まらない形へ上げる」


 夜、観測室で彼女は新しい手順書を起こす。


 指揮権移譲条件。

 公開遅延時の自動対応。

 妨害時の再掲示フロー。


 英雄が必要な仕組みは脆い。

 誰でも回せる仕組みほど、長く持つ。


 白紙の次頁へ、彼女は一行だけ書いた。


 『不在時運用を平時に訓練する』


 それが次の遠征に向けた、最初の準備だった。


 翌朝の代行訓練で、イオナは自分の判断を一つも挟まなかった。

 詰まった場面では口を閉じ、代行責任者の指示を待つ。


 遠征中に必要なのは、本人の正解ではなく、代理の再現性だと確かめるためだった。


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