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七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす  作者: 蒼月よる


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沿岸調整会

 名称が出た翌日、四港連携会議は緊急招集された。


 議題は明快だった。

 「沿岸調整会」を公式議事へどう載せるか。


 名を出せば反発が来る。出さなければ次へ進まない。

 イオナは結論を先送りしなかった。


「匿名化せず載せる。証拠欄を添える」


 港長代理の一人が怯えた声で言う。


「報復を招く」


 メラが即座に返した。


「沈黙はもっと安く報復される」


 最終的に議事録は「沿岸調整会(仮称)」として公開された。

 仮称でも十分だ。名を置いた時点で、存在は公文の上に乗る。


 ガルムは次手を提案する。


「構成員の特定は急がない。まずは経由文書の棚卸しだ」


 イオナは頷き、棚卸しテンプレートを作る。


 文書番号。

 発信時刻。

 受領部署。

 実施内容。


 書式は地味だが、地味な書式が包囲網になる。


 夜、共同掲示板に新しい項目が増えた。


 『調整会経由文書: 監視中』


 住民の一人がその文を見て呟く。


「ようやく相手の名前が出たな」


 イオナは答えず、白墨を置いた。

 名前は出た。ここから先は、名を証拠へ変える仕事だった。


 会議散会後、イオナは議事録控えの末尾へ注記を足した。


 『仮称使用の根拠: 受領印照合四件一致』


 名前を置くだけでなく、置いた理由まで同じ紙に残す。

 反発が来る前に土台を固めるためだった。


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