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君に寄り添う六日間、世界が消える一日  作者: 鬼子
第四章:魔術師

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Episode:4 次に繋ぐ情報

 エヴァの言葉に、僕は頷いた。


「冒険者かぁ……今の僕には知り合いの冒険者はいないなぁ」


 僕がそう話すと、エヴァは何かを考えた後、思い出したように話した。


「そういえば、試験中に他の生徒の召喚魔術が失敗してさ暴走した時に冒険者が助けに入ったみたいなんだよね」


「あぁ、そうなんだ」


 エヴァが話したその言葉に、僕は淡々と返す。

 その反応に、彼女は首を傾げた。

 別におかしな反応をしたわけじゃないが、驚かなかったことに、疑問を感じたのだろう。


 それはそうだ、僕からしたらもう数回。

 それも、一度は目の前でシェラが岩人形(ゴーレム)を切り倒すのを見ている。

 だが、エヴァからしたら今日が初めての、初出しの情報だった。


「なんか、反応薄くない?」


「そう?」


 僕は、エヴァの言葉を聞きながら、本をめくる。

 次の再配置時にはシェラに会いに行くとして、魔術の情報を取り入れていれば、彼に差し出し、受け取るものもさらに噛み砕けるかもしれない。


「まだ本読むの?」


 僕の視線が本から動かないことにエヴァは唇を尖らせ、ため息を漏らす。


「まぁね」


 僕はそう漏らし、エヴァを見ながら本を閉じる。


「先に帰ってもいいよ。まだ、終わる感じしないから」


 そう話すと、エヴァは僕を見つめる。


「え、え? これを、続けて読む感じ? この数十冊を?」


 そう言いながら本の塔を見る。

 眉を歪め、エヴァは心底嫌そうな顔をした。


 意外だ。

 魔術が得意で、勉強熱心なのだと、勝手に思っていた。

 いや、勉強熱心なのは本当か。

 だが、こんな反応をするとは、思わなかった。


「私は先帰るよ」


 そう言ってエヴァは歩き出し、扉を開けて出て行った。


 僕は体を伸ばし、本を手に取る。

 他にも、知らない魔術が多い。

 知識としてだけでも取り入れておけば、何かあれば対応出来るかもしれない、そんな小さな希望を求めて、淡々とめくり続けた。


 二日目……三日目

 深夜になれば、新たな本が入ってくる。

 前回も聞いた受付嬢同士の話に耳を傾け、僕は本をめくる。


 四日目……五日目……六日目……そして。


 夜、空が白くなるのを眺めながら、僕は次の段取りを頭の中で整理する。


 エヴァとともに、学校に行こう。

 老婆に会って、次にシェラ。

 この二人は絶対に外せない、特にシェラだ。

 冒険者なら何かを知っているかもしれない。


 僕は初めて、再配置を目撃した時の記憶を辿る。

 シェラは僕より先に気がついた。

 芝から立ち上がり、目を見開き、空を見つめていたのを覚えている。


 彼が、何かを知ってくれているといいが……。

 僕はそう思いながら、迫り来る強烈な眠気に、意識を預けた。

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