Episode:18 知識と手がかり2
僕は本を読み続け、気がついた時には数刻経っていた。
「……ない」
僕は背もたれに体重を預け、ため息を漏らす。
なぜ見当たらない。
世界を包み込むほどの自然現象、そこまで大規模なものなら、今生きる生物が知らないはずがなかった。
僕はゆっくりと目を閉じ、思考を巡らせる。
何かが違うんだ。
自然現象じゃないとして、例えば、エヴァの言った通り、魔術だとして……。
なぜ、文献にないんだ……。
自然現象だとしても、魔術だとしても、必ず暴かれるはずだ。
どんな高位の魔術も、魔術書を読めば大抵はわかる。
だからこそ、これだけの時間を費やしても見当たらない事象に、焦りを覚えた。
「なんで……」
僕はそう呟いた。
何が足りない?
見落としてるのか……?
魔術だとしたら、魔術なのだとしたら、どんな技法を扱ってる?
もちろん、粒子を感じ取りにくくする魔術は存在する……だが、同時に世界を包み時間を操る魔術と、隠匿の魔術を大規模で……可能なのか?
僕は仮説を立てては崩し、再度組み直す。
何が正しいか、どれが鍵となるかはわからない。
だが、一つわかっている……。
「おそらく、自然現象じゃない」
僕は体を起こし、受付嬢の元に向かった。
「すいません、あそこの自然現象の本は読み終わったんで、棚に戻して、世界中の魔術の知識を集めていただけませんか?」
受付嬢は、僕の後ろの机に積み上げられた本を見て目を細め、小さく息を漏らした。
「かしこまりました。ですが、魔術の本となると膨大な数になります。とてもじゃないですが、数日や数十日で目を通せる量ではありません。どうしますか?」
「類似しているものは除き、それ以外を全てお願いします」
僕のその言葉に、受付嬢は目を見開く。
異常……とでも言いたそうだ。
だが、それほどの時間をかけなければ……いや、それほどの時間をかけたとしても、真実に辿り着けるかはわからない。
先の見えない未来を考えると、心がすり減る。
だから、僕は未来を思う思考を放棄した。
受付嬢が端末を操作すると、無数にも見える本が中を舞い、近くの机に積み上がる。
一目で膨大だとわかる量の本は、次第に塔を築いているようにも見えた。
「こちらで全てになります、およそ一万八千冊。ありとあらゆる魔術が記されています」
受付嬢は、ニヤリと笑ってそう話す。
自信に満ちた表情だ。
「あの……。僕の身長的に上は届かないので、せめて数十冊ずつお願いしたいです」
そう話すと、受付嬢は目をパチクリと瞬かせ、咳払いをした。
「あぁ、失礼」
そう言って、受付嬢は数十冊の本を残し、残りは帳台裏に積み上げた。
「ありがとうございます」
「いえ、今ある物を読み終わり次第、供給しますので、遠慮なくお声掛けください」
受付嬢が発したその言葉に、僕は頷いて席に戻る。
そして、近くにある魔術書を開いた。
魔術はいくつかの属性で構成される。
火、水、土、風の四大属性を筆頭に、混ぜ合わせ派生させたものまで多岐に渡る。
回復とは、細胞の再生ではなく、局所的な時間遡行の一種である。
現状、痛みを伴わない再生魔術は、存在しない。
「沢山ある……調べるついでに、いろいろ試して、扱える物を増やしておくか……」
僕はそう言いながら本をめくり、空いた手で小さく魔術を思い描いた。
こんにちはこんばんは!
進みが遅くなってしまって申し訳ない。
PCで書くのをやめて、スマホで書き始めました。
ちなみに、私はもともとスマホです。
スマホからPCに移行して、なぜかまたスマホに......
最近気がついたのですが、PCとスマホでは書く文章が全く違うんですよね。
それこそ、他人が書いてるのかと錯覚するくらいに。
不思議ですね。
私個人、スマホの方が楽しく、集中もできますので、今後もスマホで頑張ります。
よろしくお願いいたします!(^^)




