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君に寄り添う六日間、世界が消える一日  作者: 鬼子
第三章:異常事態

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Episode:12 白く包まれる世界へ

 エヴァに問い詰められてる僕を、シェラはただ見つめ、試験終了の鐘に耳を傾けていた。


 鳴り止む頃、シェラは僕とエヴァを交互に見てため息を漏らし、ゆっくりと口を開いた。


「……訳ありか」


 シェラはただそう呟いた。

 何かを察したのか、悟ったのか、彼の本意は不明だが、確かにそう呟いた。


「言っちまえよ。俺様も気になる」


 シェラは僕を見て、そう呟く。

 俯いたままで返答がない僕に、彼は気まずそうな顔をした。


「……話せない……か」


 シェラはそう呟いた。

 嫌味ではなく、そんなもんだよなと、理解を示すような、それでいて諦めてしまったかのような、優しくも寂しい声だった。


「ごめんなさい」


 僕が力無く答えると、シェラはため息を漏らしながらも、話題をすり替えた。


「帰ろうぜ。もうここにいる理由もないだろ。

送っていってやる。黒曜銀級の冒険者は高ぇんだ。無償で護衛してやるから、帰るぞ」


 シェラは悲しそうに僕を見つめ、そう話した。

 その声には少しの怒気が含まれていたような気もする。


 僕たちは校舎、そして街を出てただ歩く。


 誰も話さない。

 暗くなりかけている空は、場の空気をさらに重くした。


「そうだ、ルイン。剣術はやるのか?」


 絞り出すように話したシェラの言葉に、僕は頷いた。

 そして、右手に持つ剣を見つめる。


「はい、お願いします」


「言っとくが、世間では魔術が中心だ。剣術がどこまで通じるのか、ルイン次第だ」


 その言葉に、僕は小さく頷いた。

 魔術が中心の世間、それは、剣術を扱うものへの厳しい人生を語るようだった。


 エヴァの家につき、見送る。

 彼女は怒っているのか、最後まで目を合わせることはなかった。


 シェラは僕の背中を叩き、ため息を漏らす。

 

「しっかりしろ。色恋沙汰なんざこんなもんだ」


 そう言って、シェラは先に歩き出す。

 僕は早足でその後をついていき、歩幅を合わせた。


「……何も話せねぇのか?」


 シェラは低く、僕に問いかけた。

 なぜ話せないのか、話す気がないのかを確かめるためだった。


 何も話さない僕に、シェラはため息を漏らす。


「おい、少しくらい……」


 シェラの言葉を遮るように、僕は歩きながら口を開いた。


「……祭り前夜……僕と一緒にいてくれませんか?」


 シェラはその小さな願いに首を傾げた。


「何かあるのか?」


「……わかりません」


 その曖昧な返しに、謎が深まったせいか、シェラは怪訝そうな顔をする。

 一体なんなんだと、だが、シェラはそれを承諾した。


「訓練ついでだ、任せろ」


 その言葉は現実となり、毎日訓練をして、そして、問題の七日目が訪れた。


 時は夜の十一刻(じゅういちこく)と半、日付が変わるまで、後少しだった。

 空は闇に包まれ、シェラのランタンが無ければ手元さえ見れない。


 そんな中、僕はこれから何が起こるのか、未知の現象に体を震わせた。


「大丈夫か?」


 シェラが心配そうな表情で僕を見つめ、ポーチから水を取り出す。

 動物の胃で作られた水入れ……冒険者らしい振る舞いをするシェラに、僕は少し安心した。


「ありがとう……ございます」


 それからは、他愛のない話をした。

 それが一番気を逸らすことができた。

 これから起こるかもしれない何かに、寝なければ大丈夫じゃないかと、そう考えてる僕に少しの希望を与えていた。


 そして、十二刻(じゅうにこく)が訪れた時、シェラが空を見上げて立ち上がる。


「なんだあれ」


 シェラの声は低く、未知の現象に焦っているようだった。

 暗い空は、地平線から徐々に色を抜いたように白く変わる。

 その白は、波のように流れ、徐々に空から色を奪っていった。

 知らない景色、知らない現象、シェラでさえも、焦りを隠せない。


「これ……まじか」


 シェラがそう呟いた直後、頭上を白い光が通り抜け、異常なまでの眠気に襲われる。

 シェラが地面に倒れたのを確認して、僕は意識を手放した。


 次に目を覚ました時、僕はベッドの上にいた。


「ルイン! 起きなさい!」


 知っている声色。

 知っている状況。


 僕は震える体を抱き、現実から逃げるように布団を被る。

 確かめなくてもわかる。

 また……来たのだ。


 布団の中で恐怖を抑え込むためか、それとも現実を受け入れたくないという小さな願望か。


 次の瞬間には、部屋に叫び声が響いていた。

こんにちはこんばんは、鬼子です!


かなり間が空いてしまってすいません。

特に前話......。

予約投稿の日時をミスしてしまって、投稿できていないことに気が付きませんでした( ; ; )


ちゃんと見ろよな!私!

というわけで、お待たせしました。


今後もお願いいたします。

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