森島幸信
そもそも森島幸信は皆んなと一緒に遊んだりするタイプの子供では無い。クラスの男子が外へドッジボールをしに行っても一人で机に何もする事なく、ただ座っているだけなのだ。学校ではほとんど喋らなかった。
イジメられているわけでも無い。同学年の男子も、女子も皆そんな変わった同級生をゆきくんと呼んで彼に優しく接している。良い学年に恵まれていたのだ。
部活も特にやっているわけでも無く、体力も無く、成績も良くは無い。
1番困ったのは先生が好きな子同士班になってと、グループを組ませる時だ。相手が居ないのだ。皆彼には優しく接してはいるが、やはりほとんど喋らない彼は特に一緒にいてもつまらない。
「皆んなグループは出来ましたか?」
誰にも誘われなかった森島幸信はまだ自分の机に座っている
「森島くんは何処のグループかな?そうだ峯田くん森島くんも一緒に入れてあげて」
先生は少しひきった笑顔でクラスメイトの峯田に声をかける
「あ・・はい。ゆきくん一緒にやろう」
峯田は一瞬無表情になったが、すぐに自分を受け入れた。
最終的に先生がクラスの1番人気のある男子に森島幸信を勧めるのだ。しょうがなく森島幸信を受け入れたグループに向かい、歩いていくその時のクラスメイトの可哀相な人を観る視線は彼にとって最も辛い瞬間だった
ホントは皆んなと遊びたいし、仲良くしたかったが喋るのが苦手な彼は気持を上手く表せなかった。だから大体無表情でいた。
1年生の時からなので彼を受け持つ先生はなかなか皆んなと馴染めない彼に苦労する
そんな彼が休み時間ただ机に座ってやる唯一の事は妄想だった。




