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反神派乱入、王都封鎖の三つ巴

「偽神アッシュを玉座に縛り付けるだと!? 笑わせるな、狂信者ども!!」

「今こそシステムの軛を断ち切り、我々偉大なる魔導師の手に世界を取り戻す時ぞぉぉっ!!」

 王宮を黄金の結界で封鎖(監禁)した『神権派』の背後から、黒い装束を纏った数千の集団が押し寄せてきた。

 旧教団の残党と、特権を失った魔法至上主義の過激貴族たちからなる『反神派』の軍勢である。彼らは神権派の張った結界を外側から破壊すべく、容赦なく爆炎や雷の攻撃魔法を雨あられと撃ち込み始めた。


ズドォォォォォンッ!!

 王宮の大地が激しく揺れ、極彩色の爆発光が窓を照らし出す。


「アッシュ卿!! 外が完全に戦場と化しています!」

 セレスティア王女が魔剣を引き抜き、憤怒に顔を歪めた。

「愚かな反神派どもめ……神の玉体に傷をつける気か! アッシュ卿、直ちに我が騎士団を率いて出陣し、あのゴミ共をなぎ払ってまいりましょう!」

「ダメだセレスティア!」

 俺は慌てて王女を引き留めた。

「外に出ようにも、俺たちはいま『神権派(こっちの狂信者)』の巨大結界に閉じ込められて物理的に出られない状態なんだぞ!」


 その通り。王宮(と俺たち)は、神権派の「アッシュ様を離さない!」というヤンデレ結界の中にすっぽりと隔離されており、その結界の外層を反神派のテロリストたちが全力で叩いているという、カオス極まる『防衛戦(引きこもり)』の構図になっていたのだ。


【System:Warning。対象『王都中央広場』にて、許容量を超える魔素の衝突エラー(パケットロス)が連続発生中】

【System:環境サーバーの演算負荷……[ 85% ]に上昇】


「……おいおい、冗談だろ……」

 視界のシステムUIが、かつてない警告音と共に点滅を繰り返している。

 魔法使いが数千人規模で全力の魔法をぶつけ合うという事態。それは、この世界を管理するシステム(環境維持AI)から見れば、「短期間に万単位の無茶苦茶なコマンド(エラー)が同時実行され、サーバーが処理落ちしかけている」現象に他ならなかった。


「アッシュ様、あの黄金の結界を私の『氷結解呪』で内側から粉砕しましょうか! そして外にいる暴徒どもを、派閥問わず全て氷の彫像へ──」

「エレナ、落ち着け。お前まで極大魔法なんか使えば、それこそ世界サーバーが吹っ飛ぶ(クラッシュする)!!」

 俺は頭を抱えた。


 権限の『分散作業』中で王都での干渉力が低下している今、彼らの魔法の乱れを「Delete(強制終了)」で一括処理することなどできない。

「あいつら……俺を閉じ込めるか、殺すかの二択で本気で戦争始めやがって……!」

 俺が歯噛みしている間にも、外の戦闘は激しさを増していく。


「見よ! 反逆者どもが、旧文明の『破城兵器』を持ち出してきたぞ!」

 ゼノンの悲鳴が響き、俺は窓へ張り付いた。

 広場の中央で、反神派の魔導師たちが巨大な魔法陣を展開し、地下から呼び覚ました『超巨大な岩と鉄の塊』──先日のゴーレムにも匹敵するサイズの、恐るべき【破城槌シージラム】を顕現させていた。

「あの化け物ゴーレムの突進を、神権派の結界が受け止め切れば……!」

 その激突が放つ衝撃エラーのパケットは、確実に王都のサーバー演算限界を突破し、王都そのものを【システムダウン(空間崩壊)】へと追い込むだろう。


「……仕方ない、俺が『手動アナログ』で調整するしかないッ!」

 俺は絶望的な状況下で視界のUIシステムを開き、窓越しに見える巨大破城槌の『物理演算パラメータ(ソースコード)』を睨みつけた。

 一括削除(Delete)はできない。なら、また書き換える(Rewrite)のみだ。

 人間たちの醜い争い(特大バグ)を、俺の手で強制的にバカバカしい茶番へと書き換えてやる!


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