101.手がかり
4章です!ゆっくり投稿です!がんばるんば!(*^^*)
今回も最後まで癖たっぷり!
ルコウが過去の出来事を話し終えるとホールはしんと静まる。
ルコウの視点からのみ語られたが、それでも情報量は多く、そのホールに集まった人々の心を揺れ動かすには十分であった。
かつてルコウたちの妹ルルディに救われた人間族のアリィ、彼女はペロージアからは魔法を、ルコウからは剣術をそれぞれ教えられた。
しかし、アリィはルルディの魂を欲するあまり、人間族を唆し、シオンの先祖である竜族たちを襲わせた。
そして、ルルディは女神の力を使い、人間族をこの世から消してしまった。
「ワタクシは先の戦いで身体を失いましたが、『物に意識を移す』ワタクシ特有の魔法でなんとか生き延びることができました。ただ、受けた傷は深く、意識を取り戻すまでかなりの時間がかかりました。フランメ……お前とお前の母にも大変な迷惑をかけた……」
今回の話で自分の出生と父が何故身体を失くしたのかという理由を知り、フランメは心内、穏やかではなかったが、記録をとるために紙に書き進めていた万年筆を止めることはしなかった。
「つまり今回の犯人の行動は全て、ルルディさんの生まれ変わりであるヴィオラ様の魂を手に入れることが目的だった、ということですか………はぁ、なぜ母さんがずっと父さんに怒っているのか今やっとわかりました」
フランメが深くため息をついて、ルコウにジトりとした視線を送る。
今までひた隠しにされていたことに不満そうだった。
「ミモザにはこの話を黙っておいてくれ……ミモザはその……アリィとも、ルルディとも仲が良かったのじゃ……それなのに、アリィがあんなことをしてしまったこと、ルルディが人間族を追放したこと……どちらもミモザには辛すぎる……」
「あなたはそうやっていつもひとりで抱え込もうとする……母さんはそういうところに怒っているのですよ」
「じゃが……ううん……」
「話は後にしましょう」
ルコウは息子からの視線にいたたまれなくなって、蝋の身体を小さく小さく縮こませた。
「とにかく、今回の誘拐事件はワタクシめに責任がございます! あの時しかとあやつにとどめをさせていれば、ペロージアが再び現れたあやつにとどめをさしていれば!……あなた様もヴィオラ様も平穏な幸せを手に入れられていたというのに……あぁ」
ルコウは今回のヴィオラ誘拐事件の責任が自分にあると自責の念に駆られているようで、アリィとの戦いで失った身体の代わりとなった蝋の身体を縮こませた。
シオンは自責の念に駆られ、うずくまるルコウを見ていると、なぜもっと早く相談してくれなかったのかという思いが湧いてくるが、自分がアリィを止めなくてはいけない、と思い込んでしまい自分でも想像できないほど長い間苦しんできただろうルコウを怒鳴る気にはなれなかった。なにより、今はそれに意味はないとも思った。
「言いたいことはいろいろあるがそれは後にする……今はとにかくヴィオラの命が第一だ。魂、というのが狙われているということは彼女の命が危ないことだろう?」
「そ、その点はご安心を……ヴィオラ様の魂はペロージアが妖精の加護で守っております。加護は多くの魔力と引きかえに対象を害から護ります。いくら性格の終わっている姉と言えど、これには嘘はございませんし、確認もしております!」
「……だが、危険なのに変わりはない。情報は得られたが、これでは……早く探し出さねばならないというのに……」
加護という単語を聞いたフランメのかき取る手が止まった。
「殿下、これは大きな一歩です。ヴィオラ様にかなり近づきました」
「本当かフランメ!?」
「はい、その前にまず確認を……ペロージア様がヴィオラ様にかけられた妖精の加護というとかなりの魔力を消費したはず、ですのでペロージア様は眠っているかと予想されます。ですよね、父上?」
「そ、そうじゃが……まさか、フランメ!?」
「多くの魔力、妖精にとっては命そのものである魔力をヴィオラ様に送られたのなら、ペロージア様であればその魔力を追えるはず、いえこうなった場合を見越して加護をかけていたと考えるのが自然かと……」
「見越して……うむ、ならペロージアに協力を仰ぐ。ルコウ、ペロージアがいるとすれば、妖精界か?」
「眠るとすれば、一番安全な自宅でしょうが……ほ、本当に会いに行くのですか? いえ、疑問を挟むのは愚行でしたな……ご案内いたします」
「うむ、よろしく頼む」




