人類終末機関 其の弐
この作品を言思いついた時のプロットは完全にR-18だった。
今でもどうするか悩み中の難産な作品になる予定。
投げ出さないよう見張っててください。
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「国家培養触手機関」
ある日世界は一つの国家となった。
決して戦争がそうしたわけではなく、皆がある日突然仲良くなったわけでもない。
そうしなければ生きていけなくなったからだ。
地球という星の機能が著しく低下し、人類の生存圏が極度に狭くなった。
遥か昔に温暖化で騒いでいた奴らが今の地球を見たら絶句するんじゃないだろうか?
それは何故か?太陽の活動が異常に活発になり、同時にオゾン層が消失したから。
地上での生活がほぼ不可能となり、月や他惑星への移住も…地上での活動ができない以上諦めることとなった。
その際にオンライン上で「これ以上の人類同士の争いは無意味」という結論によって、地球の歴史上奇跡と呼んでも差し支えない快挙。世界平和が訪れた。
各国はその国の地中での生活を開始。
そしてその数年後にとある企業、今は「国家培養触手機関」と呼ばれるその前身となった企業が産声を上げた。
『各国で自給自足を安定化させたい』
その当時も日本は他国からの輸入で食事を賄っている部分が大きく、このまま交通インフラが完全に停止したら飢え死に一直線の状況で生まれた企業だった。
それはいつ見つけたものかは分からない。
それは過去の地球であれば消えていたもの。
それはとある企業に見つけられ、そして現代まで人類と共存していくこととなった。
タコやイカのような海洋生物に見られる部位そのものの生命体。
「触手」
それ以上の名前もなければそれ以外で形容する方法もないそれそのもの。
その生態は単純。
他生物の雌の個体に寄生し、繁殖する。
それだけなら殺処分だっただろう、ただこれを見つけたのが日本人だったのがマズかった。
「この「触手」は食用に出来る」
ただでさえ地中で生きていくしかない状況で、食糧の問題解決は急務だった。
結果、その企業は現在まで大きな成長を遂げ、その名を「国家培養触手機関」と改めるに至った。
◆
暇な時間に資料室に来てみたら、この企業の生誕XX周年だかなんだかですぐ読める場所に置かれていた企業の歴史本が目に入った。
読み返してみて思ったけど、やっぱ狂った企業だよなここ。
「どう脳みそが狂ったら「触手」を寄生させてそれ喰って生きていこう!って発想になるんだよ…」
自分だって日本人で、その血が流れているからこそ食の大切さは分かる。
もし自分がこの過去の場所に居てもどうせ似たような発想になる。
「まだ人を食べよう!みたいな発想にならなかっただけ健全…なのかな?」
多分この疑問が出ること自体けんぜんではないんだろうなぁ…なんて思いつつ資料室を後にする。
同僚と喋ったりも嫌いじゃないが、暇なときはなんとなく一人でダラダラ過ごすことが多い。
「仕事中は苗床ちゃんたちと喋ってばかりだしなぁ」
それはそれで嫌いじゃないんだがね、その分暇なときは一人がいいってやつかな?
自分の事ながら自分でもいまいちピンとこない…なんて脳内で疑問符浮かべてたら呼び出しがかかってしまった。
呼ばれた階層がそこそこ深かったためエレベーターを使うことにする。
階段で降りてもいいんだけどまぁ職員の特権ってことで、電力は太陽光でほぼ無限発電だから使わなきゃ勿体ないしね!
昔はどうも会社の建物ってのは天に向かって伸ばしていたらしいが、残念ながら現代では地中に沈むしか拡張する術がないからな。
住居も格子状の立方体をひたすら広げた形の超過密集合住宅だ。
…自分が企業住みを選んだ理由の一つでもある。やだよ隣の住人の顔色伺いながら出勤するなんて...まだ急な呼び出しで仕事する代わりに通勤ゼロ秒の今の生活の方が心に良いわ。
「んで、到着しましたけど...なんかあったんですか?」
「あ、よかった来てくれたんですねミカド先輩!」
そりゃ来るだろ呼び出しかかったんだから...自分、「食月 帝」をわざわざ呼び出した後輩こと「夜空 蓮」に悪態をつきながらも敬語口調で話しかける。
「いやぁちょっとしたことで処理するには少し厄介でしてね?」
「苗床か触手かその他か」
「苗床ちゃんです、明日で交代だからってのもあって新入職員の研修も兼ねたんですけど...日数を間違えたみたいでしてね?」
「でしてね?じゃねーよバカ、明日やっと帰れるこの身体に無理させてどうすんだよ...んで対応は?」
「触手は取り出し済みです、双方健康状態に問題は無し。ただ苗床ちゃん側が明日帰れないんじゃないかって軽いパニックになっちゃって」
「やらかした新入職員は研修一からやり直しな、んで研修担当した職員は減給+反省するまで業務追加で」
あららーとあからさまに他人事ですと言わんばかりの態度をとる蓮を放置しつつ、件の苗床ちゃんの元へと向かう。
「大丈夫か~?」
「わた、わたし...か、ヵえれなくなっちゃ...ちゃう?!!?」
「いや、ちゃんと明日で帰れるよ。今回はこっち側のミスだし、君が辛い思いをする必要はないからね?」
「ほ。ほん...toう?」
「うん、身体の方に異常もないし...念のためこの後の苗床作業も無しにしておくから、明日までゆっくり休みな?」
そう伝えたら安心したのか、先ほどまでの焦りは消えていた...いや本当ここまでケアして問題解決なのにこの子放置してどこ行ったんだ担当の奴は...?
もし見つけたときに態度悪かったら処分場逝きだな。
苗床ちゃん:個々に当然名前はあるけど、苗床としての業務が終わるまでは基本本名で呼ぶことはない。
これは職員との距離感を一定に保つためであり、少女たちの精神に余計な負担をかけない手段でもある。
因みに「苗床」という言葉は蔑称ではない。どちらかというと苗床を終えた後人に言うと「え、凄いじゃん!」となる感じ。だって人類の食糧問題の解決に協力してるわけだしね!




