表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/65

あわてんぼう探偵

 美千代とサトルが屋敷を出て一時間くらいが経った頃だろうか、屋敷の大広間に足音が響き渡った。


「先生、大変です」


 声を上げて、走ってくるのは清だ。彼は外の様子を見ると言って、大広間を抜け出していた。


「先生、大変です」


 息を切らしながら、清が広間に現われる。広間にいる幸子、佐橋、義男の三人は緊張して顔が強張っていた。


「どうした? 清くん」


 敬助が落ち着いて尋ねた。


「死体が……」


 清の言葉が続かない。


「死体がなんだ?」


 敬助が続きを促した。


「死体が消えているんです」

「死体が消えた? きみは何を言っているんだ」

「先生、本当です。屋敷の庭にあるはずの、神主さんの死体がないんです。屋敷にあった大八車もありません。犯人はまだ島にいる。事件は、まだ終わってないんですよ」


 そう言って、清はハッとする。


「やっぱり女と子供二人だけでは心配だ。伝えないと襲われてしまいますよ。先生はここをお願いします。ぼくは港へ行ってきます」


 言い終わらないうちに、清は大広間を飛び出して行った。敬助も大広間を出ようとするが、佐橋がすぐさま呼び止める。


「金田一先生、どちらへ?」

「確認してくる」


 そう言って、敬助は大広間を後にした。



 敬助が玄関から庭へ回った時、すでに開いた雨戸から顔を出す佐橋と幸子の姿があった。二人は敬助が来る前に、庭に神主の死体がないことを確認していた。


「金田一先生、これは一体、どういうことでしょうか?」


 佐橋は、敬助の到着を待って話し掛けた。探偵は、返す言葉がないといった感じだ。


「やはり犯人の仕業でしょうか? 警察が到着する前に、死体を隠してしまったということではないんですか?」


 佐橋が一人で喋るのだった。敬助は、佐橋の言葉に一切返事をせずに屋敷の中へ戻った。


 そこで、さらなる事件が起こっていた。大広間にいるはずの義男の姿がなかったのだった!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ