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朝起きたら、宇宙征服者の姫になってた!  作者: 七月 夏喜
第5話 璃緒とカレン王妃とザベリン王の真実
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その13



ー起きぬか、リオン!!!!ー


 頭の中を射ぬかれたように声が反響した。咄嗟に脳裏に顔が浮かんでくる。


「あ、でん……」


ーリオン、『ゼブラ』をそちの下僕にするのだ!ー


 アデンの声が璃緒の意識を清明にしていく。


ー『ゼブラ』ような征服者に、我らの宇宙を渡すことはない!ー


 微かに目が開いた。その瞳は眼前の者を睨む。


ーそちは言ったではないか。この宇宙は誰のものではないとー


「……誰の、もの、でも、ない」


 更に首が締め付けられ、璃緒の息が再び詰まった。


ーリオン、そちの想いを思い出せ。目覚めるのだ、リオン!!ー


 これまで右側だった赤色の瞳が、左側も同じ様に光り始める。『ゼブラ』は上体を仰け反った。


 その左右の瞳は『ゼブラ』の炎とは比較にならないほど眩しく、灼眼となる。


「百瀬の両親や、友人、私は、みんなを守りたい。地球を守りたい……」


 同時に、彼女は『ゼブラ』を更に睨み返した。


「離せ、『ゼブラ』」


 その赤黒い腹部を蹴り上げる。だが微動だにしない『ゼブラ』は言う。


「ぬしは、誰だ。名を伝えよ」



「私はおまえの主、『ザベリン・ミリディア・ア・リオン』」



 突風が吹き荒れた。暗闇に目映い光が差し込み、真っ白な空間に変化する。


 『ゼブラ』は璃緒の体をゆっくり床に立たせた。彼女はひと咳して言葉を発する。


「主として使命を与えます」


 『ゼブラ』は璃緒の足元に躓く。


「おまえの機能は、全て私が制します」


 赤黒く炎に包まれた者は静かな面もちに見えた。その姿は人を模し、黒から白へ輝いて変化していく。長い黒髪を翻し、青白い肌と黒いコートのようなものを着こなし、白ズボンに黒いブーツを履いていた。切れ長の瞳は赤黒い光彩に規則的に白色が混じっていた。


 璃緒の指先から青い電撃のようなものが走り、それは全身を痙攣させる。


「我は、主の命尽きるまで従おう」


 彼女は安堵してか、両肩が脱力し、そのまま床に座り込んだ。璃緒は両手を広げる。指間から青白い炎のような小さい放電が起こっていた。


「まだ残ってる……」


 彼女は一度それを握り込んで、再び開く。


「……アデンの声が聞こえた」


 目の前に『ゼブラ』はまだ躓いていた。


「で、あんたは、一体何処から出てきたのよ」


「前主は、最後の命令を我に託した」


 璃緒は目を丸くして、その白く変化した者を見る。


「主を見定めよと」


 体を起こし、『ゼブラ』は彼女の隣に立ち並ぶ。


「我は主とともにある。我を動かすのは、この時より『ザベリン・ミリディア・ア・リオン』に変わった」


 驚いて彼女は『ゼブラ』を凝視した。


「じゃあ、王妃は……、どうなったの。いなくなったってことは……」


「主との対話に、相当のエネルギーを費やした。前主は脳機能の一部の回路を遮断しておる」


 不可解な問答に璃緒は口を尖らせる。


「ど、どう言う意味?」


「眠っておる」


「そ、そう……、そう言うこと」


 璃緒は胸を撫で下ろす。

 ふと、まだ頭の中に聞こえる怒号に気が付いた。瞳を閉じ、息を整える。


ーリオン、『ゼブラ』の落雷を止めい!!!ー



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