第一章 沈まぬ太陽 第七話
黙って聞いていたことで二人の考えは分かったが、歩真からすれば虱潰しに動くのが自分たちから透路たちの部署に変わっただけのように思える。
元より事件事故、イベント事を虱潰しに調べているのだから手段としては変わらないと言われれば確かにそうだ。だがそれはいつだって本部内での資料探しや関係者と目される人物への聞き取り調査を虱潰しにやっているのであって、当てもなく外を歩き回っているわけではない。
けれど今から透路が提案しようとしているのは、太陽が最も照らしている場所を温度計片手に感覚で探し出そうというもの。
それは外に行かなければ調べられないことで、外に行けば当然魔物と遭遇する確率は上がる。
歩真は前線に出る戦闘職。累水も後方支援ではあるが前線に出ざるを得ないこともあるので歩真と同じくらい魔物と対峙する状況に慣れている。
だが、透路は違う。勿論一般の人とは違って対抗手段はあるし、浄化や結界なんかは三人の内で透路が一番得意で、透路が作って持たせてくれる護符はいつだって二人の助けになっている。
それでも前線で、直接魔物と対峙してしまうのはあまりにも不利だった。
「歩き回らなくってもさ、例えば雲の隙間から差してる光が照らす先を確認するのは無し?普通の太陽と違って、ずっと動かずそこから照らしたいって意思があるなら一直線で分かりやすそうって思ったんだけど」
だから歩真なりに、どうにかして透路が危険を冒さなくても済むような方法はないかと頭を回した。
考えるのは透路と累水の担当。歩真はその二人の作戦と指示を正確に、迅速に理解して対応するのが仕事。そういう役割分担のような認識は三人とも同じはずで、らしくないことをしている自覚は歩真にもあった。
それでも、らしくなさを馬鹿にするような二人ではない。
らしくもなく回転させた頭が弾き出したものが間違っていたならきちんとそれを伝えてくれると信じて、歩真は二人からの返答を待った。




