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第4章  ダブルデート⁈

「はぁぁぁ」

 結局さやかに押し切られる形で4人で出かけることになってしまった。万が一同じ高校の人に見られでもしたら命がないよホント。


「佐倉、久しぶりだな。」


「山下くん、久しぶりだね、まさかうちらが先に合流するとはね、おめでとう、あんたようやく実ったんだねえ、あたしゃ嬉しいよ。」


「サンキュな、さやかのことは必ず幸せにして見せるわ俺。」


 こういう事をちゃんと言えるのがさすが山下君だ。どんな時でも簡単に適当に発言しないで考えて発言して行動できるいい男だ。


「かな、おまたせ。」


「山下先来てたのか久しぶりだな。」


 どうやらさやかと花沢君も途中であったみたいだ。


「久しぶりってそっちはなかなか会ってなかったの?」

「まあ試合のスケジュールとかで合わせるのむずかしかったからなあ、お互い部活忙しかったし。」


 花沢くんと山下くんは私とさやかくらい仲がいい。あまりに仲良すぎて2人が付き合っているのでは?と噂が流れたくらいだ。


「…ところで、2人はもうキスは済ませたのかい?」 


「お前そんなこときくもんじゃねえだろ。」


 そう言って花沢くんが私の頭をこつんとしてきた。 

「いや気になるよさすがにね、恋バナ不足なのよ、花沢君と違ってね。」


「てか二人は恋愛に興味ないの?」


「ないことはないけどって感じかな」


「俺はそもそも興味ないからな、好きって言ってくるやつなんてほとんどかかわりないやつが多いし俺の何を知ってんだって感じだよ。」  


 呆れたように肩をすくめる彼に、私は口をとんがらせて言った。


「そりゃあんたかっこいいし運動神経いいしさらっと気遣いできるし頭いいしでいいとこしかないじゃん。」


「まあほんと花沢ほどいい男はなかなかいないよな、にも関わらず本人がまるで興味ねーからな。」


「あんた可愛い女の子が急に抱きしめてきても何も反応しなさそうだもんねーそれどころか酷いこと言いそうだもん」

「お前の俺への印象どうなってんたよ、まあでもしないな間違いなく。」


 本当に興味のなさそうな彼にそれ以上何か問い詰めるようなことはしなかった。それから色々お店を回ったりカフェに行ったりしていくうちにすっかり辺りは暗くなってしまった。


「じゃあね、かな、花沢くん、また4人で遊ぼ!」


「花沢と佐倉じゃあな。俺さやかのこと送ってくから。」


 2人は微笑みあって手を繋いで去っていった。あんなに幸せそうなさやかを見れるなんて嬉しくてたまらない。ずっとあの関係が続いてほしいと思う。


「花沢くん、今日楽しかったね、それにあの2人まじよかった!」


 昔からから知っている2人が結ばれて幸せになっている姿を心の底から喜んで浮かれていですっかり前を見ずに歩いてしまっていた、すると


「――っ、何やってんだよ、前向いて歩けって」


 花沢の声が、耳元で聞こえた。いつの間にか躓いていたらしい。勢いよく倒れ込んだ私の視界に、花沢の顔がドアップで飛び込んできた。……心臓が、跳ねる。


「うわっ……ごめん!」


 慌てて起き上がろうとして、また自分の手足がもつれる。そのせいで、もう一度バランスを崩して、今度は彼の上に覆いかぶさるような形になってしまった。


 彼の胸の硬さ、かすかな柔軟剤の匂い。近すぎる距離に、思考が真っ白になる。別に意識なんてしていないはずなのに、顔が沸騰しそうなほど熱い。


「……あのさ、唇、触れてないよね?」


「知るか。……っていうか、離れろよな」


 ぶっきらぼうな声だけど、花沢の耳も少しだけ赤い気がした。気のせいだ、きっとそうに違いない。あまりの気まずさに、私は反射的に立ち上がって、逃げるように背中を向けた。


「じゃあ、帰る!」


 走るように歩き出す私の足音は、心臓の鼓動と重なって、自分でもうるさいくらいだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あら、おかえりなさい。」


「……」


「ちょっと、ただいまくらい言いなさいよ、お兄ちゃん。」 


(ガチャ 


「唇触れたよな、やば、あいつあんなに可愛かったっけ、」 


 自分の部屋に入って座り込んで手を口元にやり状況を飲み込もうとする花沢。初めて女の子に可愛いなんて思ってしまった彼がしっかり自分の気持ちに気づくのはもう少し先の話だ


 

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