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第5章   やばすぎます

「花沢くん、そのおはよう。」


「佐倉、昨日は」


「き、昨日のことね、ギリギリセーフだったよね?花沢くんはあんまし気にしないかもだけどもししちゃったなら初めてだったわけ、だけど」


 恥ずかしくてどんどん声が小さくなる。別になんとも思ってなかったのにおかしい。


「…俺もしちゃったなら初めてだな。」


「え、あ、そっか。モテ男の初めてを奪ってしまったわけですか私。ははは、とにかくお互いに忘れよ?」


 私はそう言って走って逃げていってしまった。だってこれ以上一緒にいたら恥ずかしくてどうにかなりそうだったから。だけど、もししちゃっててお互い初めてだったのはなんだか少し嬉しかったような気がする。


「ったく、忘れるなんてできるかよ。」


「花沢、お前顔真っ赤だぞ、何があったか?」


「うるせ、早く教室行くぞ。」


 そう言って花沢くんは足早に教室に戻っていった。


「ねえ今のって、どう思う?加藤さん。」


「花沢くんのあんな顔見たくなかったわ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 忘れなきゃいけないのにその後の授業も私は全然集中できなかった。


「ん、どうした、佐倉。」


「えっと、なんでもないんです。」


「ほんとかよ、お前俺の授業ずっとぼけっとしてたのばれてたぞ。体調悪いわけじゃないのか?」


「え、あ、はい。ちょっと色々あって頭がぐちゃぐちゃっていうか。」


「そうか、まあ見えないうちに疲れってのは溜まるんだからしっかり休めよ。」


「はい。」

 本原先生はすごく気遣いできる先生だ。生徒のちょっとした変化に気づき対応できる。そして、何より色気がすごい。背が高くてかっこいいなあ。後ろ姿とか最高すぎる、とかい女子生徒からの声が絶えない。


「本原先生、ちょっと例のことで相談があるのですが。」


「あー今行く、じゃ佐倉次ぼけっとしてたら、」


「してたら?」


「さあな」


 本原先生はニヤリとして去っていった。その少し悪い顔に少しだけなんだかドキッとしてしまった。


「香苗ってばーどうしたの?珍しくぼーっとしちゃってさー」


「体調は悪くないんだけど、うわあってなることがあったって言うか」


「なにそれ、おかしいの。にしても本原先生相変わらずかっこよかったね」

「うん、そうだね」


ちらりと花沢くんを見ると彼はこの前の出来事なんてなかったかのように普通にしている。朝からずっと意識しまくっている私がバカみたいだ。


「なんだよ、ずっとこっち見て」


「いや、べ、別に?」


「……言っとくけど俺だって頑張って何事も無かったかのようにしてるだけでずっと気にしてるんだからな、」


「え、あ、うん」


「じゃなあ」


そっか、花沢くんも気にしてるのか、もう切り替えてしまってるのかと、よかった。だけど、これからどうしよう、早く忘れるのに努めなきゃ

 

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