↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛鳥異聞~日出処の天子と六道の覇王アスラ  作者: ダンケ
第1章:飛鳥擾乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
101/119

危機

7/18 本日投稿分です。

 牛頭は圧倒的な威圧感を放ちながら前へ出た。

 厩戸たちを睨む目には、ただならぬ殺気と闘いに酔う狂気が同居している。


 牛頭の巨体が地響きと共に躍り、天燈鬼に巨矛で殴り掛かる。

 天燈鬼は結界での防御を捨て、拳で迎え撃った。

 矛と拳がぶつかり合い、拮抗する。

 互角と見えた次の瞬間、牛頭の筋肉が膨れ上がった。

「ぬおおおおっ!」

 力押しで天燈鬼を吹き飛ばす。


 そこへ金棒を構えた龍燈鬼が躍り込んだ。

 一撃。

 二撃。

 三撃。

 縦横無尽に金棒を振るう。

 だが牛頭はそのすべてを巨矛で受け流し、剛腕で弾き返す。

 やがて息切れした龍燈鬼に、牛頭は獰猛な笑みを浮かべる。

「力比べで俺様に勝てるかよ!」

 そう吐き捨てると、強烈な蹴りを炸裂させた。

 龍燈鬼の身体が宙を舞い、二度、三度と地面を転がる。


「火炎呪!」

 厩戸の放つ炎でさえ、巨矛の一振りで打ち消してしまった。


「むう」

 牛頭の底知れぬ体力と剛腕に厩戸は眉を顰める。

 夜叉王との闘いから続く連戦に、厩戸たちの体力は確実に消耗していた。

 息があがり、額を伝う汗が目に入り、牛頭の猛攻に押され始めている。


 だが、こんなところで終わらない。

 いや、終われないという強い意志が、再び厩戸たちを立ち上がらせる。

 肩で息をしながらも、瞳に宿る闘志は衰えてはいなかった。


 厩戸は間合いを保ちながら火炎呪を唱え続ける。

 牛頭は火炎をものともせずに突進し、巨矛で炎を打ち払う。

 厩戸と牛頭の距離は詰まるのを見た天統鬼が防御の結界を張る。

「しゃらくせえ!」

 巨矛の一撃で結界が粉々に砕け散る。


「ぐっ」

 その衝撃で厩戸は吹き飛ばされた。

 そこへ牛頭は容赦なく追撃し、巨矛を横薙ぎに一閃する。


「させるか!」

 龍燈鬼が飛び込み、金棒を振るうが、力負けして弾かれた。空いた腹を蹴り飛ばされて、壁際まで後退する。


「ふむ。貴様らのやり口は大体わかった」

 天燈鬼が前衛となり、結界術で牛頭の攻撃を受けとめ、龍燈鬼は死角に回り込んで金棒を叩きこむ。それを受け止める牛頭に生じるわずかな隙を突いて厩戸が火炎呪を打ち込む。

「確かに見事な連携だ。しかしな」

 牛頭はフンと鼻息を鳴らす。

「すべてを打ち砕く圧倒的な力の前では、どんな策も通じはしないのだ」

 牛頭は兇悪な笑みを浮かべて巨矛を振りかざした。

「いくぞ!絶望しながらあの世へ行け!」


 轟!

 振り下ろされた巨矛は天燈鬼の結界をやすやすと打ち砕く。

 龍燈鬼が金棒を叩きこむが、微動だにしない。

 二体の前衛を吹き飛ばした牛頭は、ゆっくりと厩戸に向かっていく。

「貴様で終わりだ」


 厩戸はゆっくりと息を吸う。

 圧倒的な牛頭の武。

 だが、ここで退くわけにはいかないのだ。

 全ての想いを込めて呪文を紡ぐ。

「オン・アグニャ・シャバダ・ウン!」

 燃え上がる炎が龍となり、牛頭に向かって放たれた。


 豪炎が牛頭の全身を焼く。

 だが牛頭は止まらない。

 炎に焼かれながら、厩戸への歩みを止めない。


 そして。

 振りかぶった巨矛を。

「死ね!」

 振り下ろした。


 キィィィィィンッ!


 耳をつんざく金属音が響き渡る。


 神剣天断。

 駆け付けた善徳が、牛頭の必殺の一撃を見事に受け止めていた。


お読みいただきありがとうございます。

評価(星)、ブックマーク、レビュー、いいね、感想など、ぜひお願いします。

明日も1話投稿予定です。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。