再戦
7/17 本日投稿分、遅くなりました。
「なるほど、先日の決着をつけろということか」
馬頭は青龍刀を肩へ担ぎ、面白そうに眼を細めた。
「待て待て、あれはお前が相手をしたやつらだろう?今回は俺にやらせろ」
牛頭が獰猛な笑いを浮かべ、舌なめずりしながら一歩前へ出る。
すると前方の厩戸も一歩前に出た。
「怪異どのよ」
「ん?」
突然の呼びかけに戸惑う牛頭。
「申し訳ないが、ここを通してはくれぬか」
「は?」
牛頭と馬頭は顔を見合わせた。
「おい、馬頭よ、あの人間、なにを言っているのだ?」
「はて、なにやら黙ってここを通せと言っているように聞こえるが」
「ふざけるでないわ!」
牛頭が烈火の如く怒り始めた。
「何のためにわれらがここにいると思うのだ。黙って通すくらいなら、初めからこんなところまで出張っては来ぬ。ふざけていないで、さっさと構えろ。せいぜいおれを楽しませてから、あの世へ行け!」
厩戸の後ろに控える二体の鬼が、やれやれと首を振る。
「だから言ったではないか。平和主義にもほどがあると」
「見よ、余計に怒らせてしまったではないか」
だが、厩戸に怯む様子はない。
「どうしても通してはくださらぬか」
重ねて問う厩戸に、牛頭はさらに怒りを募らせる。
「当たり前だ!そっちが来ないなら、こちらから行くぞ!」
はあ、と厩戸はため息を吐く。
「話の分からぬ怪異どのだ。火炎呪!」
炎の龍が牛頭に襲いかかる。
「うおっ」
あわてて飛び退く牛頭。
それまで立っていた場所が、厩戸の放った炎によって爆砕した。
「お、お前、いきなりかよ!」
牛頭の抗議に、いい笑顔を浮かべる厩戸。
「闘いとなれば、先手必勝と申します。ゆめ油断なされますな」
「こ、こいつ、いい性格してやがる。いいだろう、まずは俺が相手だ。まとめてかかってこい!」
牛頭が巨大な矛を地面に叩きつける。
轟音と共に岩盤が砕け、瘴気が吹き上がった。
「いくぞ!」
厩戸の声に、二体の鬼も咆哮を上げる。
互いの闘気に呼応するように洞穴の大気が震え、闘いの火蓋が切って落とされた。
「馬頭よ、お前は手を出すなよ」
「好きにしろ。だが、遊びすぎるな」
牛頭が豪快に笑う。
「分かっている!」
牛頭の巨体が地を蹴った。
爆速で天燈鬼に肉薄する。
「おらぁ!」
豪快に振り下ろされた巨矛を天燈鬼が結界で受け止める。
その衝撃で周囲の岩壁が崩れ落ちる中、天燈鬼は両足を地面にめり込ませながら耐える。
力と力が拮抗するところへ龍燈鬼が金棒を一閃、牛頭の脇腹に叩きこんだ。
「むう」
思わず数歩後ろへ下がる牛頭。
「オン・アグニャ・シャバダ・ウン!」
厩戸の唱える火炎呪。
炎の龍が牛頭を飲み込み焼き尽くそうと襲いかかった。
グオオオオ!
豪炎の中、牛頭が雄叫びを上げ、巨矛を横薙ぎに振るう。
すると炎は弾け飛び、ほとんど無傷の牛頭が獰猛な笑みを浮かべて立っていた。
「こんな攻撃では俺を倒すことなどできはせぬ。貴様らの力は、その程度か!」
牛頭の咆哮が衝撃波となって、洞穴内に響き渡った。
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