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世界の謎のアッサリした回答

 本の迷宮で譲られた書物には、答えがあった。なぜこの世界に地図がなく、作ろうとこころざした者も誰一人いないのか?

単純だが当然の疑問に対する答えが、しれっとっていたのだ。なんか悔しいという理由だけで、スゴロクは自らそれを確かめることにした。

 目指すは一路、勇者アンヴィシオンが開錠かいじょうした幻の地――『戦士の楽園』と呼ばれる塔。長かった世界探訪も、ようやくそこでひとつの終着点となるはずだ。

新年の祝いもそこそこに移転に向けて動き出した自国も気になるが、

「いいからお前は好きに動け」という悪友らの言葉に甘えて、先に自分の事にひと段落をつけてしまうつもりだ。

 それに際して魔王がこなさねばならない用事は、ただ二つのみ。

あとは自分次第だと決め、王位継承の儀を済ませて以来ひさしくおこなっていなかった鍛錬に集中して約一ヶ月を過ごした。

 戦闘訓練は『戦役』終結の英雄たちが喜色満面きしょくまんめんで相手をしてくれた。疲れればダイス社の誰かが必ずねぎらってまでくれた。

息抜きをする場所は何処にでもあったし、そういう時はいつでもかたわらに愛する者がいてくれた。

 我ながら恵まれていると、魔王は改めて自覚する。世界で一番の果報者かほうものなのではないかと、少々うぬぼれた錯覚さっかくを抱いてもみる。

まこと有りがたきことであったが、恩返しのアテを思いつかないことが、唯一の歯がゆさだった。

だがそれすらも、「おいおい考えれば良いのです」という妻の一言で氷解ひょうかいしてしまった。

 そして、いよいよ『戦士の楽園』登頂計画を実行する時がやってきた。

魔族のための月を待っての出陣だ。

あとは――。

2016年 04月15日 13時58分 公開

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