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昔語りと現状確認

やっと…やっと…投稿できました。

-サリア暦527年-


『バディシニア』国家連合(以下、連合)の所属国で起きたクーデターに神聖国『エルニサリア』(以下、聖国)が軍事介入した事を発端に始まった戦いは、周辺国や同盟国を巻き込み世界規模の戦争に拡大した。


 開戦当初『魔力至上主義』を掲げる聖国が、保有する最上級魔導師を含む全ての魔導師を投入し、圧倒的な火力により戦局を優位に進めた。


 この動きに対し連合側は押されつつも戦線を維持、持久戦に持ち込み魔導師達の魔力枯渇による疲弊を狙ったが、聖国側は『プラネストーン』という―――


「何してんの?」


「いや…僕達の事を書籍化したら売れるかな~って。」


 備え付けのデスクトップから顔を離してマリーの方を向くとマリーがしだれかかってきた。


 今僕達は『地球』(仮称名)に向かっている『ゼフィラネス』(巡航形態)に増設した居住ブロックにいた。


 …そう、増設した。サーチアイで手頃な隕石見つけて後は『ZP細胞』と『魔法理論』と『ZPコア』のちょっとした応用だ。……と、半ば冗談のつもりだったができちゃったんだなコレが……


 ああ、『ゼフィラネス』って言うのは『ガルゼフィス』と『ソルプラネス』が融合…つーか合体かな?。兎に角一つになった『魔導機人』の名称だ。(命名マリー)この状態から形状は若干異なるが元の二体に分離が可能。そして僕達二人の半身でもある。『魔導機人』というのは『エルニサリア』という国で造られた人型機動兵器である。原理はよくわからないが魔力で動く○ビル○ーツのような…○装機○の方がしっくりくるかな?。とりあえずそんな物である。


「…何なのマリー?さっきからベタベタと。」


 今現在椅子の後ろから抱きつかれている。


「折角人間の身体になってんだよぉ……もっとシよ…ねぇ…ハルトぉ…」


「…はぁ…これこれマリーさんや。この身体に成ってから何回『イタシテ』るんだよ。ちょっと自重しようよ。」


 今僕たちは人間体だが元々ガルゼフィスとソルプラネスという魔導機人に細胞レベルで融合していた。んで居住ブロックを造った応用で何とかできないかといろいろやってみたら……できちゃったんだな。『ZPコア』――僕たちに融合していた『ゼフィスコア』と『プラネスフィア』。二機の魔導機人の魔導炉が融合して出来た永久機関魔導炉――に記憶されていた僕たちの生体データを基に、『ZP細胞』――二機に試験搭載されていた不完全な生体金属が融合して出来たハイブリッド生体金属細胞――を使って造り出し、人間サイズのZPコアを構築し、埋め込んだ後に意識を人間体に転写するという荒技によって……しかもこの身体ZP細胞と同じ特徴を持ちつつ人間の体を完璧に再現しており骨や内臓、細胞組織は言うに及ばず……子供を授かる事も出来るらしい(ただし限りなく確率は低いみたいだ)『ゼフィラネス』パネェッス…


「え~っ!いいじゃ~ん」


 …クッ!…マリーが声をあげながら腕に力をいれるたびに僕の後頭部を凶悪な感触が襲う。身につけているラバースーツの生地をこれでもかと引き延ばし、はちきれんばかりな推定Gカップはあろうかというマリーのご立派な双子山。そうオパ~イである!その感触は正にマシュマロ!柔らかな中にも程良い弾力があり感度も抜群!揉みごたえバッチシ!男を惑わす最終究極決戦兵器!傾国の魔乳である!うぇへげふぅえへへぇへっ!この乳はオレのモンだ!!だれにも渡さぬぇぇぇぇ!!!……うん、ゴメン自分でも何言ってんのかわかんない……いかんもちつけ!もちつけ僕!ひっひっふーひっひっふー……OK。


「あのね、いくら『ZP細胞』で創った身体だからって連続十回戦なんてやりすぎだよ。オマケに予定航路から大分外れたの分かんなかったし。」


「うっ…まあまあ。急ぎの旅じゃないんだし。」


「全くもう…」


「けどさあ……前の人生から足掛け二十九年だよ!お預け食らったの。最初の時はお互い身体がボロボロだったし…二度目の時も孤児院から卒業して結婚してやっと誰にも邪魔されずに肉の快楽に溺れられるって時に戦争に巻き込まれちゃって…やっとこさ再会したと思ったら『魔導機人』に取り込まれて人間じゃなくなるし。」


 マリーの言葉に一抹の不安を覚えつつ、ふと昔を思い出す。





 僕の名前はランバルト。ランバルト=マーティン。『サリア』と言う世界の人間だった。


 そしてもう一つ名前がある。間崎春人まざき はると太陽系第三惑星『地球』の日本で生きていた。



―僕は所謂転生者だ―



 もう所々虫食い状態な記憶だが、確かに地球の日本で十三年間生きていた。まあ十歳からの三年間は病院のベッドの上だったけど……病名はよく覚えていないが、下半身から麻痺していき全身に回るとかいう病気だったと思う。(最初聞いたときは、どこぞの夜〇の主かと思ったが)…余命一年と宣告されたけど、何とか三年間生き伸びた。その闘病生活中に出会ったのが彼女、『太樹宮摩理』(たきみや まり)だった。摩理もまた余命宣告をされていた。末期癌?だったかな?…まぁ狭い病院で同じ境遇の同い年の子がいたら仲良くなるよ。


 お互いの感情が友情から愛情に変わるのにそう時間はかからなかった……最後は仮だが結婚式まで挙げる事になっちゃったけど……本当にうちの両親や摩理の親御さん、病院の先生には感謝している。そして結婚式から数ヶ月後、僕達は短い生涯を終えた。





「どうしたの?」


 マリーが僕の顔を覗き込む。思考の海から意識を持ち上げ後ろ手にマリーの頭を撫でる。


「ちょっと昔の事をね。」





 んで、二回目の人生が始まった。まさかの記憶を持ったまま剣と魔法のファンタジーな異世界に転生……入院生活中に暇つぶしに見た二次創作の小説みたいな事が自分の身に起こるとは思わなかった。神様には会ってないからチートや特典は無かったが。


 僕が生まれたのは『サリア』の『バディシニア』と『エルニサリア』の国境付近らしい。どうも僕はうまれてすぐに孤児院に預けられたようで、物心ついたときは『バディシニア』の国境の街『カナアタ』の『サリア教会』が経営する『マーティン孤児院』で暮らしていた。


 『間崎春人』から『ランバルト=マーティン』に、一人称が『俺』から『僕』なってから五年……孤児院に一人の女の子がやってきた。『マリー』という名の五歳の女の子は…まぁ『太樹宮摩理』だった。


 流行り病で両親を亡くしたりしてマリーもいろいろあったようだが、彼女と再会出来た事は嬉しかった。


ホント、この世界の女神サリアさまに感謝してたよ。


……十年後には心底呪ったが……


 僕達が十五歳になった時に、隣のゴロツキエルニサリアがいちゃもんつけてきて戦争が起こった。


カナアタの街にも戦火が迫り、僕達は中央首都の教会に避難する事になったんだが、道中の街でエルニサリアの工作員が起こしたゴタゴタに巻き込まれマリーや孤児院のみんなとはぐれてしまう。


そこからは坂道を転がり落ちるがごとく。


 救援に来た『北方軍第二十四遊撃分隊』のロディ隊長に拾われたり、親代わりだったマーティン神父さんと物言わぬ再会。


 行方不明だった孤児院のみんなが聖国軍の魔導実験―サリアストプラン―の被験体として利用されていたり。


極めつけはサリアストプランの完成体として、聖国の糞○○○○○(不適切な発言な為削除しました)野郎共によって魔改造――お約束の意識操作、薬物や魔術を用いた身体強化や保有魔力の底上げ、魔素生成結晶『プラネストーン』の埋め込み等――されたマリーが連合国軍の一個大隊を一人で壊滅させ、聖国から『聖女』として祭り上げられてしまった。





「いかん…涙が……」


「ちょっ!、どうしたの!?いきなり!?」




 あの頃は本当に気が狂いそうだった。神父さんの事があり、聖国憎しで軍に志願して三年。所属部隊が聖国のモルモットにされた孤児院のみんなによって壊滅。僕も妹分だった『リーン』から攻撃され、瀕死の重傷。そのまま死ぬかと思ったら、連合国軍の暗部『第零番独立隊』に引き取られ、非合法の実験の被験体として使われる事になった。……まあ僕自身がそう望んだんだが……


 魔力増幅結晶『ゼフィストーン』を埋め込まれ、疑似魔導師となり、聖国の糞○○○共を殺しまくって数ヶ月。


聖国軍が『魔導機人』なんて物を投入してきて、それに対抗して此方も『魔導機人』を開発投入。技術開発合戦となり、戦争の泥沼化に拍車がかかる。


 僕はと言えば、僕用に用意された魔導機人『ガルゼフィス』に試験搭載されていた生体金属の暴走によりガルゼフィスに取り込まれてしまい、気づいた時にはガルゼフィスそのものになっていた。


 もうね、ヤケクソ状態で暴れ回ったよ。


 僕の狂気は似たような経緯でソルプラネスにとりこまれたマリーに出会うまで続いた。


 その後マリーと巡り会い、数回の戦闘を経て、記憶を取り戻したマリーと一緒に戦線を離脱、孤児院のみんなを解放したり、連合、聖国から離脱したハト派の組織『解放軍』と接触して第三勢力起こしたり。


 ガルゼフィスに取り込まれて二年。連合タカ派『大統領』と聖国タカ派の『元老院』の連中を一掃した。足掛け五年。『魔導大戦』と呼ばれた戦いが終結した。


 コレで終わりかと思いきや、この戦争を裏で操作していたと自称する『管理者』とか抜かす奴が大型の魔導機人で登場。タカ派連中との決戦直後だったのでかなり苦戦するもぶちのめす事に成功。そしたら置き土産とばかりに無力化した聖国の巨大空中要塞を遠隔操作で暴走させ、地表に落とそうとする暴挙にでた。それを止めるため、落下する要塞に乗り込み、ガルゼフィスとソルプラネスの全ての魔力を使い禁忌の魔術である大規模転移魔法を発動、宇宙空間に転移したのち要塞中枢で自爆を敢行。僕たちは宇宙の藻屑となった……


…はずだったんだけど…






「大丈夫?」



 どうやらマリーが僕を抱き締めてくれていたようだ。


「ゴメン、ちょっとね……何かいろいろあったなぁって。」  


 椅子から立ち上がりマリーを抱きしめる。


「…まぁ…ちょっと普通じゃない体験だったけどね。人体実験された上にロボットになっちゃうなんて……」


マリーと抱き合ったままベットの上にダイブする。


「どうして今こうやって存在してるのか解らないけど、今度こそ二人で楽しく生きれたらいいね。」


「多少の障害ならゼフィラネスで何とかなりそうだし……あとは赤ちゃんかな?」


「……そうだね……」


「んふふふふ。」




 …その後、十回程連戦したあげく、予定航路からさらにはずれてしまったのはいい思い出。


ぶ…文才が欲しい!

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