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月が丘の淑女たち ―名門女学院の『ルナ』が少女たちの悩みに寄り添う物語―  作者: 如月


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第3話 新たな仲間

高等部一年教室。


月が丘女学院は生徒数が少なく1学年に1クラスだけである。


教室には五人の少女が集まり、楽しそうに談笑していた。


「今年の月の継承は誰が姉妹になるかな。」


「小百合は絶対楽しみにしてるでしょ。」


「えへへ、楽しみ!」


「葵は?」


「私は……冷静だよ?」


「またまた。」


穏やかな笑い声が教室に響く。


十年前。


初等部へ入学した日から、五人はずっと一緒だった。


家柄も違う。


性格も違う。


それでも今では家族のような存在だった。


その時。


教室の扉が静かに開く。


学院長が姿を現した。


五人は一斉に立ち上がる。


「学院長、ごきげんよう。」


その後ろから、一人の少女が姿を見せた。


深紅の髪。


漆黒の瞳。


そして白い制服。


教室が静まり返る。


「……白い制服。」


「雅以外にも……?」


日和が思わず呟く。


雅も静かにマリアを見つめていた。


学院長が穏やかに話し始める。


「皆さんに紹介します。」


「本日より、高等部一年へ転入することになりました。」


「天堂寺マリアさんです。」


マリアは一歩前へ出る。


「初めまして。」


「天堂寺マリアと申します。」


「皆様と共に学べることを、楽しみにしております。」


優雅に一礼する。


その立ち居振る舞いに、五人は思わず見入ってしまう。


学院長は続けた。


「なお、天堂寺さんは転入試験で学院史上初となる満点を記録しました。」


「えっ!?」


「満点!?」


「史上初!?」


今度は五人が同時に驚く。


しかし学院長はさらに言葉を続けた。


「そして本日より、天堂寺さんには『ルナ』を務めていただきます。」


教室の空気が止まる。


「……え?」


小百合が目を丸くする。


「転校初日でルナ?」


瑠璃も信じられないという表情を浮かべた。


そんな中、雅だけがゆっくりと微笑む。


「ようこそ、天堂寺さん。」


その一言で、張り詰めていた空気が少しだけ和らぐ。


マリアも優しく微笑み返した。


「ありがとうございます。」


こうして、高等部一年六人の物語が始まった。


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