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エーテルリウムの黄昏  作者: お茶どうぞ
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2、居酒屋で声を掛けて来た男


1階に降りたガルムはカウンターに座った。中央ダンスホールでは歌姫セレスティア・ヴァイスによる”星空の調べ・セレティアの夜想曲”が始まっている。

優雅で穏やかな旋律を奏でるピアノ、歌姫セレスティア・ヴァイス嬢が頭から羽織る紫のベール姿、エレガントな歌声は夜の神秘的で幻想的な雰囲気を醸し出し、星空が持つ不思議な魅力を表現しているようだ。


ガルムは周りの客共々、この雰囲気に酔いしれていた。

ふとガルムの隣に若い男が座った。

強い眼をした黒髪の男。

かなり服の上からも分かる筋肉質な体。


ガルムの興味は彼に奪われた。


「何かようかい?」

「いや見慣れない顔だと思ってね。」

「聞かせて欲しいんだが、なんでここはオーガを怖がらない?普通ありえないだろう。」

「ここの騎士団にいるんだ重騎士がオーガなのさ、それで見慣れてる。」

「じゃあお前はなんでこの席に?」

「この街の住人じゃないだろ?だから話しがしたくてね。」

「じゃあ教えてくれ、この周囲の事」


彼は自己紹介した。

元騎士団で今は冒険者をやっているエルドリン・ファルコン。

ここはアルカディア王国公爵エドガー・ファルコンハート領に当たる。

アルガデイア王国は大陸の東海岸にあり貿易物流が盛んで富んだ王国。

隣国が好戦的な国でその為に公爵エドガー・ファルコンハートは王国軍の副総督で軍隊を率いる。彼が率いる騎士団には人族だけでは無く亜人も多くいる。

武装はアイアンゲートの鍛冶工房で作られて、魔法付与している装備をつけているのでかなり強力な軍隊である。


冒険者ギルドもありオニキスクラスの冒険者がいる。

西側に大きな森ウォーデンフォレストがありそこに魔獣が出る。

王都セレスティアに向かう交易路に当たる為、冒険者に魔獣討伐依頼が来るようだ。

鉱山はアイアンゲートの北側にあり騎士団が常駐している。


金貨は複数の国で交易している交易金貨とアルカディア王国の公用金貨。アルカディア王国の金貨の方が価値が高い。


食料自給も高く、むしろ王都や他の街に出荷している。


「こんなに有益な情報をくれるなんて君は何を求めてるんだい?」

ガルムが彼に問う。


「手合わせ願いたい。」

「理由は?」

「先に行った通り騎士団の出身だ、騎士団を辞めた理由はより強くなる事。

 ここの冒険者はオニキスクラス言わば中級~上級の強さ。

 あなたは諸国を巡っているのだから少なくともそれ以上とお見受けする。

 報酬は出すので応じてもらえないだろうか。」

ガルムは考える。

今更人族の若者と手合わせしても何も得ることはないが、付き合う時間はある。

但し相手が死ぬ可能性もある。


「死んでも恨んだりしないよ。ついでと言ってはなんだがこの街の鍛冶工房と付与魔法屋を紹介するから頼むよ。」


そこまで言われたら断れない。

「了解した。して場所は?」

「冒険者ギルドの闘技場で明日正午1時位はどうだろうか?」

「了解した。私はガルム、宿屋シールドアームズ・ホステルに泊まっている。

 上の階に同じパーティーのハイエルフ、ソレンディル・シルバーレインがいる。

 よろしくな。」


こうしてガルムは2階へ戻った。

それからソレンディルにエルドリン・ファルコンの話しをして宿屋に戻った。

オーガを見ると力比べがしたいそういった事は少なくないので、ソレンディアは特に何も言わなかった。

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