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この世界で、もう一度  作者: 霜月
第一章 『スタート・アゲイン 409』
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第一章 12 『一難去ってもまた一魔』

魔法名変更。

ナイン

プラズマリヒト→ ブラウゼ・ブリッツ・ラウフェン


マズル

テラ・ファケレ→ゲー・プラッソー

ラントヴルム→ゲー・ドラコーン


モンナテルンは魔法ではなく権能

ヴュルゲ→メーコス


レヴィアタン

グラビティ・ヴォイド→メライナ・オペー

グラビオン→バリュノー


マモンも魔法ではなく権能

ウェッレ→テロー

ラピーレ→ミメーシス


誤字を修正

「この部屋ですね」


 シエルとテクストはマモン、マズル、カイセン、ナインの四人がいる部屋の前に到着していた。

 扉を開けテクストはマモンを見る。

 その瞬間、テクストの表情は険しくなる。


「強欲! 貴様を今ここで討つ!」


 テクストは剣を強く握りマモンの方に走る。


「テロー」


 マモンは剣を出す。

 テクストの剣とぶつかり、甲高い音が部屋に響いた。

 テクストが一歩下がる。


「アレス・エレメント!」


 ナインがシエル達の到着を見て攻撃を始める。

 攻撃の先はマズル。


「ゲー・プラッソー」


 床が伸びて何重にも重なり攻撃を防ぐ。

 伸びた床は粉々になったがアレス・エレメントは相殺される。


「あなたの相手は僕ですよ」


 ナインがマズルとの一対一を望む。


「よろしいですか? マモン様」


 マズルはマモンに許可を求め、マモンはそれを承諾する。


「いいぞ、行ってこい」


「部屋を変えるぞ」


 マズルはナインに部屋の移動を誘導する。

 ナインは無言で頷きついていく。


 部屋を移動した二人はお互いに名乗ってから戦いを始める。


「もう知っているだろうが、一応な。強欲の幹部が一人、マズル」


「レグルス王国の第三王女、シエル様の仲間の一人。新人教育担当のナイン・レイン」


「ゲー・プラッソー」


 建物の床が盛り上がりマズルの思うがままに動く。


「これだけ障害物があれば貴様の七色の魔法も使い物にならないだろ?」


「ブラウゼ・ブリッツ・ラウフェン」


 電撃がジグザグに盛り上がった床を避けながら進む。


「僕の魔法は、アレス・エレメントだけじゃないですよ」


 * * *


「これで終わりだぁ!」


 ゴウとンダンボは肉体戦闘をまだ続けており体力も限界が近づいていた。


「お前がなぁ!」


 二人はほぼ同時に最後の一撃を放った。

 それぞれの拳が頬にぶつかり合う。


 両者は倒れ、そこには勝者もいなければ死者もいなかった。


 * * *


 モンナテルンはグリフを人質に取っていた。


「メーコス」


 メーコスはモンナテルンの体をさらに大きく、長くする権能。


 それによって伸びた手足でグリフに巻きつき体の自由を奪っていた。


「ミナ! 俺ごとこいつを攻撃しろ!」


 グリフの言葉を聞いてもミナは動けずにいた。


「こんなか弱い少女にそんなことできるわけないじゃぁん」


「ミナ!」


「言っておくけど君の権能の反転はもう慣れたからあんま効果ないよぉ?」


「ミナ!」


 グリフの声を聞きミナは再び動き始める。


「マサカサ」


「だからそれ意味ないってぇ……。あれ?」


 * * *


 ナインとマズルが出ていった部屋には緊張が流れていた。


(ナインがマズルの相手を始めたけど俺は誰と戦えばいいんだ……)


 カイセンは自分が取るべき行動を迷っていた。


「おい、カイセンこっちにきて手伝え」


 そう声をかけたのはマモンだった。


「俺はシエルの仲間だ!」


 カイセンがシエルの方に動き出しシエルの前で足を止める。


「残念だ。それならお前は俺の奴隷にしてやるよ」


「シャルフアイス!」


 無数の鋭い氷がシエルからマモンに向かって放たれる。


 しかしその氷は謎の黒い渦に吸い込まれて消えてしまう。


「お前らぁぁぁぁ! 私とマモンの愛の城で暴れやがって! 許さない。許すものか。絶対に許してたまるかぁ!」


 怒号を上げながらこちらに近づいてくるのはレヴィアタン。


「メライナ・オペー」


 レヴィアタンがそう言うと先ほどとは比べ物にならない大きな黒い渦が現れる。


 その渦にカイセンとシエルは吸われそうになり必死に抵抗する。


「抵抗しても無駄だ! これは魔力を持っている者なら誰でも吸い込める」


 レヴィアタンはマモンを見る。


「もちろんマモンは吸い込みませんよ! じゃあまたあとで会いましょ! マモン」


 三人が黒い渦に飲み込まれ残ったのはマモンとテクストだけ。


「ああ、そういえば魔力を持たないゴミがいたな」


「騎士の名家、アイン家に生まれ、レグルス王国、第三王女、いずれ王となられるシエル様に仕える騎士。テクスト・アイン。貴様を倒す」


「そうか、だがお前は俺には勝てん。魔力が一ミリもないお前に俺は魅力を感じない」


 * * *


「壁を避けながら進むか。だが、それはこっちが動かさなければの話だろ」


 部屋の形状はどんどん変わっていく。

 電撃は避け切れずに壁にぶつかり消える。


「さあ、どうくる?」


 マズルはナインが動くのを待つ。


「この技もアレス・エレメントも防がれている。本気で行くしかないですね」


 ナインの言葉にマズルは少しイラつきを見せる。


「今までが本気じゃなかったとでも?」


 威圧的な疑問にナインは淡々と返す。


「ええ。そうです。これを出すとおそらく私は気を失うのであなたに使うつもりはなかったんですけどね。他の敵は仲間に、親友に、任せようと思います」


「気を失うというのは私にボコされてという意味で合ってるよな?」


 マズルの煽りをナインは気にしない。


「いいえ。これは魔力の消費が大きすぎるので」


 ナインが抑えていた魔力を解放する。


 その大きさにマズルは咄嗟に最大火力の魔法を出す。


「ゲー・ドラコーン!」


 地を這う龍。


「我が地龍の攻を受けろ!」


 ナインは慌てる様子もなく静かに魔法を唱える。


「アンチ・マジック」


 地龍が消える。

 それだけではない。マズルが作り出した床までもが次々と崩れ、元の状態へ戻っていく。


「は? ふざけ――」


「さっきのが最大火力でしょう? では次は僕が撃たせてもらいますね」


「ネオ・アレス・エレメント!」


「ゲー・ドラーー」


 マズルは地龍を出す前に攻撃を受け、悲鳴をあげ命を落とす。


 ナインも体力が限界で膝をつく。


(流石にアンチ・マジックの広範囲使用とこの技はきついですね……)


 ナインは気を失う。


 勝者ナイン・レイン。


 * * *


「ようこそ。私の黒渦の中へ」


 レヴィアタンが黒渦と呼ぶ場所は重力が強くシエルとカイセンは足を地面に引っ張られ、動けない。


「黒っていいと思うんですよ。マモンにもよく似合う。あれ? もう一人の男は連れて来れなかった? なんででしょうね」


 レヴィアタンは手を合わせる。


「まあ、私のマモンが倒してくれるでしょう。出ておいで〜」


 レヴィアタンがそう呼びかけると奥から出てきたのは体中がデコボコな魔族。


「異形型?」


 シエルが思わず漏らしてしまった言葉にレヴィアタンは答える。


「異形型なんてひどい。あんなのとこの子達を一緒にしないでください。この子達は私の数少ない配下でね。いつもここにいるから引力で体が歪んでしまったんですよ。元々はちゃんと人型でした」


 レヴィアタンはシエルを指差す。


「さあ、行きなさい」


 配下達がシエルに襲いかかる。

 シエルは動かない。しかしそれは魔法使いにとってはまだ対処できる状況である。


「シャルフアイス」


 配下はその一回の魔法で全員やられてしまう。

 配下達の肉体は、黒渦の中で過ごし続けたことで、とっくの昔に限界を迎えていた。


「おぉまぁええ! バリュノー!」


 上下の引力が強くなり、体を引っ張られる。


「グートリヒト!」


 シエルの周囲の引力が一時的に消える。


「はい? あなたは水属性のはずじゃ……」


「貴方は闇属性でしょう。私は水と光の二つの属性を持っています。なので貴方に勝ち目はないですよ」


「ちょ、まっーー」


 レヴィアタンはここで初めて焦りを見せる。


「ルミエール!」


 光属性の魔法。

 光は闇の天敵。

 レヴィアタンの悲鳴が響く。


 * * *


「王牙流・連牙!」


 テクストとマモンの戦闘は始まっていた。

 テクストの技をマモンは軽く避ける。


「エメーシス」


 何も起こらない。


「本来は敵の技をコピーする権能なんだがお前が魔力を使用していないからか?」


「王牙流・青ーー」


 テクストが攻撃しようとした時、モンナテルンが部屋に入ってくる。


「連れてきたよぉ。マモン様ぁ」


 モンナテルンの体は先ほどよりも大きくなっておりその手にはミナが捕まっている。


 モンナテルンがミナを投げ捨てる。

 ミナは気絶をしているだけで死んではいないようだ。


「おい、モンナテルン。気絶させたら支配はできないって言っただろ」


 モンナテルンは慌てる。


「あぁ、そうだった。忘れてたよ。ごめんねぇ」


「貴様! グリフはどうした!」


 テクストはミナだけが連れて来られた状況に疑問を持つ。


「グリフ……。ああ、もう一人の男のことねぇ。あいつなら殺したぁ」


 テクストが唇を噛み、怒りを露わにする。


「王牙流・白虎」


 テクストは白虎を使い、凄まじい速度でモンナテルンとの距離を詰め剣を振るう。


「速ぁ」


 モンナテルンは間一髪で避ける。

 テクストはモンナテルンに休む間も与えず、次の技を出す構えを取る。


「モンナテルン。今まで大儀だった」


「王牙流・青龍!」


 その剣技は、まるで龍を彷彿とさせる美しき舞。

 まさに青龍。


「わ〜い。マモン様に褒められたぁ」


 モンナテルンは抵抗も苦しみの表情も浮かべずただ、マモンに褒められたことの喜びの表情を浮かべながら命を落とす。


「次は貴様だ! 強欲のガイツ・マモン!」

【キャラクター紹介】


ナイン・レイン


年齢:20歳

誕生日:6月8日

身長:約175cm

体重:64kg前後

体格:細身

髪・目:緑・深緑

一人称:僕

好きなもの:魔法

苦手なもの:強敵

好きな言葉:親友


権能:未所持

適性:全部


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