第307話 メロリアム上陸
朝になり出発する。
「ルクセルのレーダーに入るからちょっと遠回りになるわ」
「メロリアム王国の近くなんだ」
「そうね。五百キロも離れてないわ」
感覚が宇宙規模すぎてファンタジーの感覚では理解出来なかった。
「オッケー。なるべくレーダーに捕らわれないようにして」
それでもまだルクセルと対峙は出来ない。まだクージーの体制が整ってないからだ。
それでも数分伸びただけ。コーヒーを飲み終わる前にメロリアム王国に到着出来た。情緒もなにもあったもんじゃないな~……。
まあ、それも今さら。速さを得て情緒が捨てられた。それだけだ。ハァー。
降りた場所は山の中。方角もわからない。どっちに向かえばいいんだ?
「レイ。あっちよ」
ハラーシには地図がインストールされているようだ。GPSちゃん、よろしこ。
いつものハラーシに、今日はハゼフとボンドに声を掛けた。
どちらも脱走兵だが、肉弾戦の経験もあり、シックス並みの肉体を持っている。いい機会だからファンタジー戦を学んでもらおうと連れて来たのだ。
装備もファンタジー……ではないな。レーザー銃を持っているから。まあ、レーザーで片付けられるほどファンタジー──魔法は甘くない、はず。そこはボクがなんとかするとしよう。
「ガッドさん。先行をお願い。ボクらは不慣れだからさ」
「任された」
剣聖がいる冒険者チーム。先行してもらうのが効率的だろうよ。
ファンタジーで魔法な王国だが、魔法的なものが転がっているわけでもない──と思ったら、でっかい蟻さんが現れた。イッツ、ファンタジー!
甲殻が硬い、のかと思ったら、ガッドさんがバターを切るより簡単に斬ってしまった。いや、硬いやーん!
「ボンド。レーザーを撃ち込んでみて」
「オッケー」
と、撃ってもらったらあっさりと貫いた。熱には弱いようだ。
ボクも鉄の槌で打ってみたら甲殻が割れた。ボクの力でもどうにか出来る硬さだった。
「さらに出て来たぞ」
まあ、群れで行動するしな。一匹だけ、ってことはなかろうよ。
「ガッドさん、任せる」
「了解。やるぞ」
がんばって~!
「こいつらに魔石ってあるのかな?」
蟻さんとの戦いはガッドさんたちに任せ、ナイフで蟻さんを解体してみた。
「レーザーメスとか欲しい」
ボクの力なら斬るのも甲殻を開くのも問題なく出来るが、五十匹くらいはいる。さすがに手間でしかないよ。
「お、あった」
小指の先くらいの赤い魔石を発見した。ちっさ。
「若いのかな?」
蟻って何年くらい生きるものなんだ? 長生きしそうな感じはしないが。
「ボス。さらに出て来たぞ」
「手伝ってあげて」
ボクは魔石を取り出すからさ。
「オッケー。ハゼフ、やるぞ」
がんばって~。




