第305話 メロリアム王国
空を飛び、宇宙に出るようになってもファンタジーワールドは広かった。
……なんか時空でも歪んでんのかね……?
「とりあえず、鞘に収めるようにしたよ。咄嗟に抜くのは大変だろうけど、そこはなんとかしてよ」
そこはもう持ち手に考えてもらうしかない。作り手には限界があるんでな。
「わかった。なんとかしよう」
自分の体と手に合ったからか、ガッドさんの頬が緩んでいる。子供か!
「メロリアム王国のこと、もうちょっと詳しく教えてくれる?」
「十年くらいまで魔導王と呼ばれる竜人との戦いをしていた」
「竜人? そんなのがいたの!?」
人間しかいないワールド……でもなかったな。獣人(猿人)がいたし。まだ世に出てない種族がいるかもしれないな~。
「おれは見たことはないが、魔法に長けた種族だったようだ」
「そんな種族に勝つ国も凄いね」
「当時、第七王子だった若者が立ち上がり、優秀な者を組織して勝利したそうだ」
なんだ、その絵に描いたような英雄譚は? 都合がよすぎないか? この世界は、なんかの物語なのか?
「へー。そんな国があったんだね~」
「そうだな。ちなみに、エリアがメロリアム王国出身だ。戦争から逃げて海を渡って来たそうだ」
魔法使いのエリアさんを見た。
「まあ、十歳やそこらの年齢だからもう記憶も薄くなっているけどね」
「いい家の生まれだったので?」
「だったみたい。両親も死んじゃったからどんな家だったかもわからないけどね」
冒険者稼業が長いからか、いい家だった品とかはなくなっている。が、魔力量が高いのはわかった。剣聖のチームに入っているのだから高位の魔法使いだろうよ。
「場所は、わかったりします?」
「船で二十日くらいは掛かったわ」
つまり、よく知らな~い、ってことか。クソが!
なんて怒っても仕方がない。船で二十日なら千キロは離れてはいないはず。そして、航路はあったってことだ。なら、風や海流を調べたら大体の場所は推測出来るはずだ。
「ずっとローラルト王国で過ごしてたんですか?」
「ええ、そうよ」
スマホを出してジージーに繋いだ。
「ローラルト王国から半径千キロを調べて。船で二十日くらいの距離だ。王国だからそれなりの発展を見せていると思う」
「オッケー」
シャレインならそう難しくはないだろう。あとは、地道に回れば探し出せるだろうよ。
「メロリアム王国に行くのか?」
「ああ、行くよ。魔法に詳しい人と繋がりたいからね」
召喚魔法があるなら転移魔法だってあるはず。ないとしても魔法の知識は仕入れておきたい。行って損はないはずだ。




