第304話 新・天羽々斬
野蛮ガールたちをすっきりさせたら脱衣所で扇風機に当たっている。バスタオルを纏いなさいよ。
ってまあ、ボクもバスタオルを肩に掛けて葡萄ジュースを飲んでんだけどね。
二人にも飲ませ、汗が止まったら外に出た。
野郎どもは先に上がっており、食堂でビールを飲んでいた。
「結構飲んでるね~」
ガッドさんも四、五杯は飲んでそうだ。水じゃないんだからほどほどにしなさいよ。
「こんな美味い麦酒は初めてだ!」
斥候のドットさんも負けずに飲んでいる。大丈夫か? 役職的に?
「これだけ飲んでなんなんですが、ただでよろしいのですか?」
回復役の人が遠慮がちに尋ねてきた。
「構いませんよ。大量生産してますんで。体に負担にならないだけ飲んでください」
その結果はご自身で享受してください。
「じゃあ、ボクは剣を直してくるよ。二日は掛かると思うからゆっくりしててよ」
そう言って工房に向かい、天羽々斬をガッドさんの体に合わせるとする。
刃だけで二メートルはあるので二十センチ縮め、ガッドさんの背中に背負えるようにする。
二十センチも縮めると鞘も新しくしないとならない。二十センチも短くするとバランスも変えなくてはならない。
だったら最初から打ったほうが簡単で早いのだが、天羽々斬を生まれ変わらせてやるのもボクの愛だ。
大丈夫。お前はボクが生まれ変わらせてやる。ガッドさんの相棒にしてやる。
我を忘れて打ちに打ち、二日で新・天羽々斬を完成させた。
いや、まだだ。次は鞘だ。二十センチ短くしても天羽々斬は長い。鞘から出すだけでも一苦労だ。
ガッドさんに黒姫のようなギミックは似合わない。鞘からすぐ抜けるようにしたほうがいいだろう。
「鞘を背負いながら戦うってのも邪魔だよな」
それならフックに掛けるほうがいいか? いや、それはそれで邪魔だな。すぐ抜けてすぐ斬れる。それが理想だ。
が、百八十センチもある刃は最初から扱いやすいものではない。扱い難いものなのだ。
「召喚魔法が使えたならな~」
普段は手頃な長さの剣を使い、いざってときに天羽々斬を呼び出す。これがボクの理想だ。
ちょっと行き詰まりを感じ、お風呂に向かった。ちょっとムワッて臭ってきたからだ。
「お先に入らせてもらっているわ」
湯船にはローラさんとエリアさんがいた。お風呂に魅入られたか?
「お邪魔させてもらいますね」
お湯を頭から被り、五回くらい被ってから湯に入った。
「召喚魔法って使えます?」
エリアさんの横に移動して尋ねてみた。
「そんな高度な魔法は使えないわよ。生まれ故郷なら使える者もいるかもだけど」
「ローラルト生まれじゃないので?」
「メロリアム王国ってところよ。魔法が発展した国ね」
魔法が発展国か。あるとは聞いたことがあるが、本当にあったんだな~。




