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ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!  作者: タカハシあん
第16章

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第297話 狂っている

「うわ~! いっぱいいる~!」


 数は報告されてだが、こうして近くで見ると、五十頭って凄い数だった。


「あれ、全滅させていいのか? この星からいなくならないか?」


 どんな心配だ? 


「問題ないよ。一、二年もしたら増えるから」

 

 ファンタジーの繁殖力をナメんなよ。世界のどこで魔物の被害が起こっているワールドだぞ。


「ハゼフはアサルトライフルで攻撃。ボクは撃ち漏らしたのを攻撃。ハラーシは逃げたのを追い掛けて殺して」


「「オッケー」」


 ってことで、ハゼフが弾丸をばら撒いて均等に熊へと当てた。お見事。


 それでも三十発なので、切れたらベアーズが四方に八方に逃げ出した。


「ヒャッハー! 狩りの始まりだぁ~!」


「なんの叫びだよ?」


「お約束ってヤツだ」


 まったく、お約束や様式美って概念がないヤツらはイヤだよ。このノリに付き合ってくれる存在が欲しいものだ。


 天羽々斬《あめのはばきり》を振り上げながら逃げたベアーズを追い掛けた。


「ハラーシ、動けないヤツはお願い!」


 動けぬ獲物に用はない。動いているヤツだけが獲物なのだ。


「走るの速いな」


 熊が速く走れるとは知っているが、DXも速く走れるようにはなっている。だから振動が凄い。衝撃キャンセラーが貧弱すぎる!


 森の中じゃなければフライトユニットで飛ぶのだが、そのフライトユニットが障害になっている。


「上手く行かんな~。でも、楽しい~!」


 この不自由感も不便感も、操っている感があって実によろしいではないか。


「これよこれ! これが楽しいんのだ!」

 

 車を自動運転にさせてなにがおもしろい? そりゃあ、便利だろうさ。だが、便利が楽しいとは思えない。不便が苦痛とも限らない。体に感じる快感。上手く行かないものを上手くさせようとする過程。そして、それを征服したときの達成感。


「楽しいぃ~!」


 だからベアーズよ。ボクのために死んでくれ。DXをよりよいものになるための糧になってくれ。ボクもいずれ誰かのために死んであげるからさ!


「……うちのボス、狂ってんな……」


「……そうね……」


 SFワールドからやって来た人たちの評価、謹んでお受け致しましょう。認めよう。


「ああ、ボクは狂っているのさ!」


 前世から。転生しても。ボクは狂っていたのさ!


「レイスラッシュ!」

 

 ちょっとハニーでフラッシュな言葉を言っちゃいそうになるが、いろいろ流行りの女の子ではないのでグッと堪えた。あ、ボクのお尻はそんなに大きくないのでご注意を。


「おら、泣いて死ねや、ベアーズ!」


 天羽々斬《あめのはばきり》を振るい、必死に逃げるベアーズを斬り殺して回った。

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