第296話 バキュン
あお引き金を引いた。バキュンバキュン!
密閉率が高いからアサルトライフルを撃った音は中まで聞こえない。さらにサイレンサーを付けているからさらにだ。辛うじてて衝撃が伝わってくるだけだ。
「高性能にした弊害だ」
音もまた臨場感を燃え上がらせてくれる効果なんだな~。
「お、あの大口径でも死なんのかい」
一発は確実に当てて、その巨体を吹き飛ばしたのに、のそのそと起き上がったよ。さすがファンタジーなワールドで生きる生命体である。
バキュンバキュンと口で言いながら起き上がったところを撃ってやった。
「BGMも欲しいな」
ファンタジーなワールドもSFなワールドも音楽がない。どちらも情緒がなさすぎだ。
仕方がないので鼻歌でBGMを代用。なかなか生命力のあるベアーズを五、六発くらいで倒した。ふー。
アサルトライフルを背中に回して腰の天羽々斬を抜いた。
倒れたベアーズの首を落とす。確実に殺したら腹を裂いて魔石を取り出した。
「おーデカいデカい」
これを売ったら一年は豪遊……は無理か。まあ、半年くらいは豪遊出来るかな?
入れ物がないので、目立つところに置いておく。あとで回収しよう。
「レイ。さらに二匹、そちらに向かっているわ」
ジージーからの報告。逐次投入とは畜生は畜生だな。
「ハゼフ。一匹任せる」
さすがに一人で二匹は厳しいわ。ハゼフに一匹倒してもうとしよう。
「オッケー」
と、突進して片方の熊に近付き、銃口を頭に向けてワンキルを見せた。
さすが専門のマニュアー乗り。見事としか言いようがなかったわ。
ボクは、天羽々斬を構えて走り、突っ込んで来たところを横一文字。顔を斬ってやった。
「いい切れ味!」
雑に振ったのに、綺麗に斬れている。さすがボク。いい剣を打った!
さらに大振りで頭を斬りつけた。DXのパワーも最高だ!
「まあ、性能がいいだけなんだけどな」
ボクの腕で戦えているわけじゃない。DXの機能と性能のお陰だ。ボクの力など一割も使ってないだろうよ。
「だが、それでもいい!」
ガチ勢ではないのだ、雰囲気を楽しめるだけでサイコーだ。
「ムフフ。熊なら余裕だな」
「なにが楽しいのかね?」
「ロボットはロマンなのさ」
「そうですか」
呆れ口調のハゼフ。バトルガチ勢は楽しむことを知らんのだから困ったものだ。まあ、バトルジャンキーでも困るがよ。
こいつらも魔石を取り出したら目立つところに置いておく。
「ジージー。次は?」
「動いてないわ。索敵か威力偵察だったのかもね」
そんな知能があるかね? まあ、こないのならこっちから行ってあげるとしましゅうかね。




