第295話 ハント
森の中の地面に着地する。
ハラーシ、ハゼフも難なく着地。こういうのは外から見たいものだ。
「熊がいるところまで一キロか。もう気付かれているかもね」
「なにも地上から行かなくても」
ハゼフが呆れている。
「圧倒的火力もロマンだが、狩人となるのもまたロマンだ。わるかね、ハゼフくん?」
「わからんよ」
まあ、それも仕方がない。ロマンなんて概念もないんだからな。
「美味い酒を飲むにはいい汗をかかねばならい。それならわかるだろう?」
「汗をかかなくたって美味いが、まあ、わからんではないな。喉が乾いているほうがビールは美味い」
「それがロマンというものだ」
違うよ! なんて突っ込みを入れる者もなし。言葉の意味を作るのはその時代を生きる者だ!
ジージーが空にいるので、熊の位置は丸裸。逃さんよ~。
「その熊って、マニュアーと勝負出来るの?」
「んー。なにもしなければ腕くらいは引き千切れるんじゃないかな? この星には軍隊を出さないと退治出来ない熊もいるから」
ABC評価ならSSだ。グリズリーなど子ウサギに思えるほど凶悪なのがいたりするのだ。竜とかもSSだな。
まあ、人間にもSSがいるからファンタジーって恐ろしく、油断ならないのだ。マニュアーだからって無双出来ると思うなよ、だ。
DXのレーダーにも熊の位置が映し出される。
そう高性能なレーダーではないので、モニターに光点が映るくらい。近接戦闘用なので、これで充分だ。
「こちらに気付いたな」
一ヶ所に集まっていた光点がバラけた。
「マニュアーって、なんか臭い、出てるっけ?」
ボクは金属の臭いなら嗅ぎわけれるが、熊に嗅ぎわけられる臭いなのか?
「臭いというか、プレアの漏れを感じているんじゃないか? あれば二酸化炭素だから」
二酸化炭素? プレア──エネルギーを出すと二酸化炭素が出るってことなのか? なんじゃそりゃ? オゾン臭とかじゃないんかい?
「まったく気付かんかったよ」
「まあ、そんな強い臭いでもないしな。虫はよく寄って来たよ」
「宇宙に虫とかいるんだ」
「金属虫だ。マニュアーや配管に入って悪さをして困ったものだ」
それ、分裂とかしないよな? 何万と増えたりしないよな? 宇宙、怖いんですけど!
「レイ。何匹かこちらに向かっているわよ」
「おっと。まずは熊退治だ」
人を襲った魔物は速やかに排除しなくてはならない。人間の味を覚えられたら厄介だからだ。
アサルトライフルを構え、熊を迎えるとする。
「カモーン、熊ちゃん」
しばらくして栗色の熊が二匹、いらっしゃ~い。




